映画

さらば愛しき女よ

Ｒ・チャンドラーの人気小説の３度目の映画化版で、おなじみのハードボイルド探偵Ｐ・マーロウを、ここでは名優Ｒ・ミッチャムが哀愁たっぷりに渋く演じた秀作サスペンス。

1970年代、フィルム・ノワールの事後的な再評価という形で、「ロング・グッドバイ」、「チャイナタウン」といった映画が新たに登場する中、既に過去に2度映画化されているチャンドラー原作のハードボイルド小説の古典的名作が、みたび映画版として復活。「過去を逃れて」のミッチャムが、おなじみの名探偵マーロウに扮していぶし銀の渋い味を発揮するほか、「愛の嵐」のC・ランプリングが甘く危険な魅力を放つ悪女役を好演。彼女の寝取られ亭主役を伝説的カルト作家J・トンプソンが演じているのも要チェック。