映画

水の中のナイフ

当時２８歳のＲ・ポランスキーが初長編ながらヴェネチア国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した出世作。倦怠期のブルジョワ夫婦とヒッチハイカーの青年が出会い……。

夏の休日を湖上のヨットで過ごそうと車で出発した倦怠期のブルジョワ夫婦だが、出会った青年をクルージングに誘ったことから、三者の間に微妙な関係が芽生え……。ポランスキー監督は、人間の心の内に潜む不安や欲望を暴く独自の鋭く磨ぎ澄まされた感性を早くも発揮し、一躍その名を世界中に知らしめてみせた。共同脚本には、ポランスキーの映画学校時代の後輩にあたる、まだ監督デビュー前のJ・スコリモフスキ（「出発」）も参加。その後も2人の監督作の映画音楽を手がける、K・コメダのモダンジャズも秀逸。