映画

恐怖分子

「クーリンチェ少年殺人事件」などで知られる台湾の異才、Ｅ・ヤン監督の第４作。都会の男女の群像を描き、台湾金馬奨作品賞を受賞するなど世界各地で高評価を受けた秀作。

2017年に監督第5作「クーリンチェ少年殺人事件」が再公開され、監督第3作「台北ストーリー」が日本初公開されて大きく注目を集めたヤン監督の名を、一躍世界に広めた話題作。わが国ではなかなか一般公開されず、幻の傑作と化していたが、完成から10年たった1996年にようやく初公開された。登場人物はまったく接点の無い3組の男女。やがて都会のエネルギーは彼らを運命の糸で導くかのごとく、悪夢のような悲劇に発展していく。発表から20年以上たった今も映画好きの感性をスリリングに刺激する傑作だ。