映画

時代屋の女房

夏目雅子が渡瀬恒彦と共演し、ヒロイン役を魅力たっぷりに演じた秀作。東京・大井町の古道具店“時代屋”で繰り広げられる大人の恋愛喜劇。直木賞に輝いた同名小説が原作。

東京・大井町で“時代屋”という古道具店を営む中年男のもとに、ひとりの美女がふらりと現われる。日傘を差し、猫をかわいがる、奇妙だけどかわいい女だが、店に来た時と同じように突然姿を消してしまう。その時やっと男は彼女への愛に気付き……。この謎めいたヒロイン役を演じた夏目の魅力が存分に詰まった一作。ファンは日傘を手にほほ笑む夏目（本作ではひとり2役にも挑戦）の美貌を忘れることができないであろう。古巣である松竹作品は9年ぶりとなった森﨑東監督のプロフェッショナルな演出も期待通りに絶妙。