映画

幻の光

「万引き家族」の是枝裕和監督が、江角マキコ、浅野忠信らをキャストに迎えた、記念すべき劇場公開用映画デビュー作。複雑な過去を持つヒロインの人生の再出発を見つめた。

後に「万引き家族」が第71回カンヌ国際映画祭のパルムドールに輝く、日本を代表する名匠・是枝裕和監督の劇場公開用映画デビュー作で、伝統あるヴェネチア国際映画祭の第52回で3部門を制するなど、先んじて海外で高い評価を受けた秀作。TVディレクター出身で、当時は新進気鋭だった是枝監督が、宮本輝の同名小説を映画化。夫を亡くして地方の村で再婚する若い妻の姿を通じ、生と死、喪失と再生というテーマを等身大の視点から描き、その抑制を利かせた演出で、味わい深い感動を呼ぶ佳作に仕上げてみせた。