映画

陸軍中野学校　開戦前夜

昭和４０年代の前半、市川雷蔵が主演したスパイサスペンスシリーズ「陸軍中野学校」のフィナーレを飾った第５作。“雷蔵”演じるスパイ、椎名次郎はいよいよ最大の戦いへ。

太平洋戦争の開戦が敵連合国のスパイたちに察知された事件を解決するため、中野学校は“雷蔵”演じる次郎を先頭に総力を挙げるが……。振り返るとこのシリーズ、スパイものという映像化が困難な題材、美人女優たちのゲスト出演など見どころは多かったが、中でも“雷蔵”が魅力的なナレーションでストーリーを語る一貫したスタイルは、状況説明とムード作りの双方に貢献したといえよう。この第5作で終わってしまったのが惜しまれる、ヒットシリーズの魅力をあらためて確認したい。監督はシリーズ前作に続いて井上昭。