映画

太陽がいっぱい

フランスの大物スター、Ａ・ドロンが、完全犯罪を遂行していく主人公の青年を主演。Ｎ・ロータ作曲の哀愁にみちた主題曲ともども、映画ファンなら忘れられない不朽の名作。

原作は人気作家P・ハイスミス。フランス映画界にヌーヴェル・ヴァーグの一派が台頭した時代、その前の世代の巨匠R・クレマン監督（「禁じられた遊び」）が、同一派の名カメラマン、H・ドカエを起用した映像美も鮮烈。当時新人だったドロンだが、濃密な完全犯罪サスペンスの中、主人公の青年の鬱屈した心情を見事に浮かび上がらせ、あっと驚くラストまで観客を画面にぐいぐいと引きつける。1999年には米国で、マット・デイモン、ジュード・ロウらの共演で「リプリー」としてリメークされ、これも話題になった。