映画

赤穂城断絶

赤穂浪士たちによる主君の仇討ちを描いた、おなじみ「忠臣蔵」の物語に深作欣二監督が挑戦。萬屋錦之介を筆頭とするオールスターの競演で鮮烈に綴った、東映時代劇の大作。

先に作られた東映渾身の時代劇大作「柳生一族の陰謀」が大ヒットしたのを受け、深作欣二監督が、同じく萬屋を主演に迎え、今回は忠臣蔵というおなじみの題材の映画化に挑戦。深作監督が赤穂浪士たちの戦いを「仁義なき戦い」シリーズの時代劇版として描こうと意図したのに対し、それまで東映の正統派時代劇の看板をずっと背負ってきた萬屋がそれに異を唱え、真っ向から両者が対立。その結果、実録ヤクザ映画風の破格の時代劇スタイルと、萬屋主体の格調高い時代劇の両者の要素が混在する不思議な作品に仕上がった。