映画

人間の証明

原作は森村誠一の同名小説。１編の詩とひとりの死から、戦後日本と米国を結ぶ悲劇が明らかに……。公開当時、スケールと宣伝で注目された角川映画の大作。主演は松田優作。

前年の「犬神家の一族」で、巧妙な宣伝が注目され、邦画界に旋風を巻き起こした角川映画。続く角川映画第2弾が本作。戦後の混乱期に起きたある悲劇と、現在に起きた殺人事件の意外な関係を描くミステリーで、事件の鍵が隠された“母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね”という西条八十の詩の一節は宣伝に多用され、公開当時、流行語になった。主演の松田優作をはじめ、三船敏郎、鶴田浩二ら豪華スターの競演、現地のスタッフ・キャストを起用した大規模NYロケなど、当時の邦画と一線を画したスケールの力作だ。