映画

眠狂四郎　無頼剣

市川雷蔵がはまり役のニヒルな剣士、眠狂四郎役を演じた人気娯楽時代劇シリーズの第８作。“あいつは俺の影なのだ！　流派も同じ、腕なら互角！　同時に回る円月殺法！”

シリーズ第1作からずっとひとりで脚本を手掛けてきた星川清司に代わり、本作は時代劇の巨匠・伊藤大輔がオリジナル脚本を執筆。これを本シリーズ3度目の登板となる名匠・三隅研次監督が、彼ならではのりんと研ぎ澄まされた映像美学を全編にわたって貫きながら。格調高く映画化。シリーズ中随一の傑作というに留まらず、時代劇映画の一つの頂点を極めた白眉というべき名作。その緩急自在な語りの妙技、編集の冴え、そしてご存じの市川雷蔵と、好一対をなす宿敵役、天知茂との息をのむ名対決場面、存分にご堪能あれ。