統一150周年に沸くイタリアを、北から南まで周遊。

統一イタリアの大地を行く

これまで番組が3度訪れたイタリアですが、今回は北部の定番コースだけでなく、初めて南イタリアやシチリア島、アドリア海沿岸まで、全土をじっくりと巡ります。2009年に専用路線が完成した高速鉄道アルタ・ヴェロチタや、列車ごと運べるフェリーなど、鉄道ファンの見どころ満載。統一の足跡をたどりながら、各地方の特色ある文化とその魅力をお届けします。

[PART1]王国の都を巡って トリノ~フィレンツェ~ローマ トリノ フィレンツェ ローマ

王国の都を巡って トリノ~フィレンツェ~ローマ

トリノ イタリア王国最初の首都
王宮

イタリア統一運動の拠点となったサルデーニャ王国、サヴォイア家の王宮。トリノは1861年にイタリアが統一され、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世がイタリア国王となったときに首都と定められました。カステッロ広場に面して建つ王宮と庭園、マダーマ宮殿、カリニャーノ宮殿はじめとする歴史的建造物は、「サヴォイア王家の王宮群」として1997年世界文化遺産に登録されています。

王宮
王宮
王宮前にあるマダーマ宮殿
王宮前にあるマダーマ宮殿
マダーマ宮殿東側正面
マダーマ宮殿東側正面
モーレ・アントネッリアーナの塔

高さ167mの尖塔が印象的なトリノのランドマーク。1863~1889年にユダヤ教寺院として建設されました。現在はイタリア映画発祥の地・トリノらしく、国立映画博物館に。塔という垂直構造や双方向性を活かしたユニークな展示により、国内で最も魅力的な博物館として人気を呼んでいます。

モーレ・アントネッリアーナの塔
モーレ・アントネッリアーナの塔
カリニャーノ宮殿

ヴィットリオ・エマヌエーレ2世が生まれた城。国会議事堂として使われた時代もあり、イタリア王国最初の国会はここに召集されました。バロック建築のファサードは、東側が絢爛たる白亜城、西側は曲線を多用したレンガ造りで、異なる表情を見せてくれます。現在、内部はリソルジメント(統一運動)博物館として、当時の貴重な資料が公開されています。

カリニャーノ宮殿東側
カリニャーノ宮殿東側
カリニャーノ宮殿西側正面
カリニャーノ宮殿西側正面
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の冠と勲章
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の冠と勲章
カフェ・サン・カルロ

統一運動が盛んな頃、勤王の志士たちのたまり場だった歴史的社交場。国土の大半が外国の支配下にあった中で、イタリア人の王を擁したサルデーニャは希望の地でした。弾圧を受けた志士たちは夜ごとカフェに集い、激論を戦わせたのです。1822年創業の店内は、アールヌーボー調の装飾が施され、きらびやかで上品な雰囲気。イタリアで初めて、照明をガス灯にした先進的な店でもあります。

カフェ・サン・カルロ
カフェ・サン・カルロ
チョコレートドリンク「ヴィチェリン」
チョコレートドリンク「ヴィチェリン」
スペルガ聖堂

トリノで最も高い標高670mのスペルガの丘に、ヴィットリオ・アメーデオ2世の命により建てられました。地下の霊廟にはサヴォイア家歴代の君主が眠っています。聖堂前の広場はもとより、クーポラからの眺望は見事。丘と麓を結ぶラック式登山鉄道は、ノスタルジックな赤い車体が旅情を誘います。

スペルガ聖堂
スペルガ聖堂
地下霊廟
地下霊廟
登山鉄道
登山鉄道
高速鉄道アルタ・ヴェロチタ

ユーロスター・イタリアが誇る、高速鉄道アルタ・ヴェロチタ。2009年12月にトリノ~ナポリ間1,250kmの高速新線が全線開通し、フレッチャ・ロッサ(赤い矢)と呼ばれる車両が最高時速300kmでイタリアを縦断しています。1等車は広々としたシートで、ドリンクとスナックのサービスも。列車は、統一直後に完成した歴史あるポルタ・ヌオヴァ駅を出発し、トスカーナの田園風景をひた走ります。

フレッチャ・ロッサ
フレッチャ・ロッサ
1等車 車内
1等車 車内
トリノ駅
トリノ駅
フィレンツェ ルネッサンス発祥の「花の都」
シニョリア広場

フィレンツェ政治の中心だった広場で、1500年代後半には現在と変わらぬ外観が整えられていました。今はさながら野外美術館。広場にはコジモ1世の騎馬像やネプチューンの噴水、ランツィのロッジアには『ペルセウス』『サビーニの女たちの略奪』。さらにヴェッキオ宮殿前には、ミケランジェロのダヴィデ像まで野ざらし!? と思いきやこちらはレプリカ。本物はアカデミア美術館にあるのでご安心を。

コジモ1世の騎馬像
コジモ1世の騎馬像
ヴェッキオ橋

3連アーチが優雅な、フィレンツェ最古の橋。平行するヴァザーリの回廊は、メディチ家の人々が雨でも濡れずに対岸の教会へ行けるように架けたものです。かつて橋の上には肉屋が並んでいましたが、余りの臭いにフェルディナンド1世が撤去を命じ、代わり宝石商や貴金属商を集めたそう。橋の途中の胸像は、金細工の父と呼ばれるベンヴェヌート・チェッリーニです。

アルノ川とヴェッキオ橋
アルノ川とヴェッキオ橋
宝石店や貴金属店
宝石店や貴金属店
彫金師ベンヴェヌート・チェッリーニ像
彫金師ベンヴェヌート・チェッリーニ像
花の聖母大聖堂

ルネッサンス華やかなりし頃を忍ばせる、「花の聖母大聖堂」。1296年から140年余りかけて建設されました。街のどこからでも目に入る、巨大さ、美しさは、フィレンツェの象徴です。外観は、華やかな色大理石で装飾されたイタリア・ゴシック様式。しかし内部は荘厳でありながら簡素な印象で、ここが祈りの場であることを再認識させます。高さ91mの大クーボラに描かれた『最後の審判』は圧巻。

花の聖母大聖堂
花の聖母大聖堂
花の聖母大聖堂内部
花の聖母大聖堂内部
クーポラに描かれた『最後の審判』
クーポラに描かれた『最後の審判』
ピッティ宮殿

メディチ家のライバルで銀行家のルカ・ピッティが、財力を誇示するため15世紀後半に着工。以後、持ち主を変えて増改築が重ねられていきました。宮殿は今、メディチ家、トスカーナ大公といった歴代の主が集めた美術品を収蔵する、7つの美術館とボーボリ庭園を含む重厚壮大なものになっています。中でもパラティーナ美術館は、ラファエロやティツィアーノの重要な作品がいくつもあり見逃せません。

サトゥルヌスの間
サトゥルヌスの間
ラファエロ作『ヴェールの女』
ラファエロ作『ヴェールの女』
中央市場

フィレンツェ市民の食欲を満たす、巨大なメルカート(市場)。1階は肉や魚、フレッシュパスタ、チーズなどの食品店と食堂。2階は新鮮な野菜や果物が、所狭しと並んでいます。野菜が1個から買えたり、お土産にも良さそうなパスタソースや野菜のペーストなど、地元でしか手に入らない食材が豊富。食堂では、名物の牛モツ煮込み「ランプレドット」や「トリッパ」を挟んだパニーニが人気です。

中央市場
中央市場
ローマ 3000年の歴史を刻む永遠の都
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂

イタリア統一の立役者を称える記念堂は、市民から「ヴィットリアーノ」と呼ばれています。中心の勇壮な騎馬像は、もちろんヴィットリオ・エマヌエーレ2世。その下で右腕をかかげているのは「ローマの像」で、左側は「労働の勝利」、右側は「祖国愛」の群像が並んでいます。柱廊の中にはイタリア諸州のシンボル像が並び、頂には馬車を操る勝利の女神が。屋上に登ると、まさにローマが一望できます。

ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世像
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世像
パンテオン

現存するローマ建築の中で最も完全なる遺構といわれる、世界最大の石造り建造物です。紀元前27年にアグリッパが建築。その後118年にハドリアヌス帝が再建して以来、聖母や殉教者を祀る教会として使われたために破壊や略奪を逃れ、またその建築技術の完璧さによって改築もされませんでした。巨大ドームの天窓からは光が差し込み、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世やラファエロの墓を照らしています。

パンテオン
パンテオン
パンテオン内部
パンテオン内部
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓
トラステヴェレ地区

路地に洗濯物の万国旗が連なる、ローマの下町らしい地区。石畳が昔ながらの佇まいを残しています。中心にはローマ最初の教会、サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂が。「玉座の聖母子」を中心に11人の女性を描いた13世紀のモザイク画が、700年余りも広場を見守り続けています。教会前の広場は夕刻からが本番。夕食を楽しむ人、大道芸に集まる人、噴水で憩う人で遅くまで賑わいます。

洗濯物がはためく路地
洗濯物がはためく路地
トラステヴェレ広場
トラステヴェレ広場
カンポ・ディ・フィオーリ広場

「花の野の広場」という名は、昔ここが花一面の野原だったため。15世紀には処刑場となり、広場の中心には異端の罪で処刑されたジョルダーノ・ブルーノ像が建っています。中世の面影を色濃く残すこぢんまりした広場で、平日の午前中に立つ市場は地元気分が味わえること請け合い。たくさんの花々と野菜やフルーツの色彩があふれ、人々の活気ある声が響いています。

カンポ・ディ・フィオーリ広場
カンポ・ディ・フィオーリ広場
コロッセオ

ヴェスパシアヌス帝が72年に着工した円形競技場。長径188m、短径156m、外壁の高さ57m、5万人収容という巨大なものでした。1階は大理石張りの貴賓席、2階は庶民の木造席、3階が立ち見席。地下には猛獣や剣闘士、大がかりな舞台装置が収容されていました。剣闘士や獣が殺し合う見世物が6世紀に廃止されると、大理石などの建材は撤去され、バチカンのサンピエトロ寺院にも使われたそうです。

コロッセオ
コロッセオ
ヴァティカン

ローマ法王を元首とする世界最小の独立国家で、カトリック教会の総本山。面積は東京ディズニーランドより小さく、人口約800人のほとんどが修道者です。聖ペテロを祀るサン・ピエトロ大聖堂は世界屈指の大伽藍。外観も内部も宗教芸術の名作で埋め尽くされ、まるで美術館です。聖母像『ピエタ』はミケランジェロ25歳の傑作。

サン・ピエトロ大聖堂
サン・ピエトロ大聖堂
サン・ピエトロ大聖堂内部
サン・ピエトロ大聖堂内部
ミケランジェロ『ピエタ』
ミケランジェロ『ピエタ』