昨年、同世代のミロシュ・ラオニッチとの決勝を制したディフェンディング・チャンピオン錦織圭。今年は全豪、全仏でベスト16、メンフィスでの優勝など躍進の年になり、3ヶ月のヨーロッパ遠征を成功裡に終えて世界ランク11位まで駆け上がった。

だが、そこからのハードコート・シーズンに急停止。最も期待していた全米は1回戦負けという予想外の結果で、膝の故障より深刻だったのは「活気が湧かない」というメンタル面だ。緊張の連続のツアー生活で抱える〈職業病〉とも言えるのだが、全米後のデビスカップを巧く使い、勢いを取り戻した。

ワールドグループ復帰をかけたプレーオフ、ホーム開催のプレッシャーをプラスに転じ、完璧な2勝を挙げて復活を告げ、一気に楽天オープンの連覇に向けてアクセルをふかしてきた。連覇は十分に期待できる。