青き水と緑の山と紅の家々が織り成す、珠玉の東欧

アドリア海の楽園クロアチア

ユーゴスラビア紛争からいち早く復興を遂げ、観光立国として脚光を浴びるクロアチア。首都ザグレブから湖と滝に彩られた世界遺産を訪ね、鉄道でディナル・アルプスをのんびり南下。“アドリア海の楽園”と謳われる海沿いの古都を訪ね歩けば、のどかなクロアチアらしい風景と次々に出会えます。歩を進めるごとに平和の尊さや戦争の悲惨さについても考えさせられる、一味違うクロアチアの鉄道の旅へ、さぁ一緒に出掛けましょう。

PART1

発展の都市に民族の誇りを見つめて

ザグレブ~カルロヴァツ~プリトヴィッツェ湖群国立公園~リエカ

MAP
ザグレブ カルロヴァツ プリトヴィッツェ湖群国立公園 リエカ

ザグレブ 内陸ヨーロッパとアドリア海を結ぶ交差点

ザグレブ旧市街

旧市街のルーツは、隣り合う丘の上にできた2つの町、カプトルとグラデツ(現ゴルニー・グラード)。11世紀にカプトルに司教座が置かれ、13世紀にはグラデツが王国自由都市となり、2つの町は競うように発展し、1850年にザグレブとして統合されました。19世紀の鉄道の開通と共にさらに発展した旧市街は、今でも政府機関や文化施設が集まるクロアチアの中心地です。

  • ザグレブの街並みザグレブの街並み
  • 旧市街にそびえ立つ聖母被昇天大聖堂旧市街にそびえ立つ聖母被昇天大聖堂
ザグレブ中央駅

中央駅を中心とした一帯は新市街と呼ばれています。駅が開業したのはオーストリア=ハンガリー帝国時代の1892年。駅は1979年まで、豪華列車オリエント急行の主要停車駅でもありました。新市街とはいえ、駅の完成から100年以上の歴史をもつ一帯には風格ある文化施設が数多く並んでいます。

  • ザグレブ中央駅ザグレブ中央駅
  • 中央駅に停車中のリエカ行き急行列車中央駅に停車中のリエカ行き急行列車
  • ザグレブ中央駅正面ザグレブ中央駅正面
リージェント・エスプラネード

ザグレブ中央駅に隣接して建つこの建物は、オリエント急行の乗客用に1925年に誕生した歴史あるホテル。重厚な外観と近代的な設備を併せ持つホテルは、現在も世界中からの観光客を温かく迎え入れています。

  • リージェント・エスプラネードリージェント・エスプラネード
  • ホテルのロビーホテルのロビー
  • ホテルのレストランホテルのレストラン
  • 落ち着きある瀟洒な客室落ち着きある瀟洒な客室
トミスラフ広場

19世紀末に整備されたトミスラフ広場は、噴水や花壇で彩られた市民の憩いの場。鎮座する騎馬像は、およそ200年栄えたクロアチア王国を925年に建国した初代国王、トミスラフの像です。

  • トミスラフ広場トミスラフ広場
  • 初代国王トミスラフ1世の騎馬像初代国王トミスラフ1世の騎馬像
ザグレブのトラム

ザグレブの路面電車トラムは、1891年に馬車鉄道として開業して以来、市民の足として親しまれてきました。現在は19系統が運行し、市中心部全域をほぼカバー。最新型のモダンな車輌クロトラムは乗り心地も快適で、観光にも大変便利です。

  • ザグレブのトラムザグレブのトラム
  • 市内を走るトラム市内を走るトラム
  • トラムの車内トラムの車内
イェラチッチ広場

旧市街への玄関口となっているこの広場の名は、オーストリア=ハンガリー帝国時代にクロアチアの独立を模索した19世紀の国民的英雄イェラチッチ総督に由来しています。現在はカフェやレストランで賑わう広場には、ザグレブの名の由来になった泉の跡(噴水)も残っています。

  • イェラチッチ広場イェラチッチ広場
  • イェラチッチの騎馬像イェラチッチの騎馬像
スパラフ通り

11世紀に司教座が置かれたカプトルの丘に続くスパラフ通り。イェラチッチ広場から続くその階段状の小路では、花売りや大道芸人の陽気な笑顔に出会えます。

  • カプトルの丘に続く賑やかなスパラフ通りカプトルの丘に続く賑やかなスパラフ通り
  • スパラフ通りには花屋や大道芸人が多数スパラフ通りには花屋や大道芸人が多数
ステニェヴェツ文化芸術団

ザグレブ西部の民族衣装に身を包み、クロアチアの民謡を響かせる合唱グループ。ザグレブの街歩きではそんなサプライズも楽しみです。

  • ステニェヴェツ文化芸術団ステニェヴェツ文化芸術団
ドラツ青果市場

ザグレブの市場の中でも非常に長い歴史を持つ、1926年に開設された青果市場は、旧市街の入り口に広がっています。採れたての野菜や果物の他、チーズやヨーグルト、ワインやハチミツなどが、ぎっしりと並ぶ屋台は見ているだけでも愉快。“ザグレブの胃袋”と呼ばれています。

  • いくつものパラソルが並ぶ青果市場いくつものパラソルが並ぶ青果市場
  • 青果市場の様子青果市場の様子
  • 新鮮な野菜や果物がいっぱい新鮮な野菜や果物がいっぱい
  • 青果市場の市場女の像青果市場の市場女の像
レストラン「イヴィツァ・イ・マリツァ」

産地の違う生ハムなど、多彩な郷土料理が味わえる旧市街の有名店。ハチミツと砂糖、白ワインを使ったソースで食べる仔牛のステーキは中でも絶品です。クロアチアでは内陸部の肉料理、沿岸部の魚料理と、その土地土地の素材を活かした料理が楽しめます。

  • レストランの外観レストランの外観
  • イヴィツァ・イ・マリツァ風仔牛のステーキイヴィツァ・イ・マリツァ風仔牛のステーキ
  • クロアチアの郷土料理クロアチアの郷土料理
  • パプリカソースのポレンタパプリカソースのポレンタ

カルロヴァツ 4つの川にまたがる堅牢な要塞都市

カルロヴァツ旧市街

ザグレブ中央駅から急行列車で西へ。パンノニア平原を駆け抜けると、東西南北の鉄道が分岐する鉄道の要所カルロヴァツです。16世紀に神聖ローマ帝国が星型の要塞を築き、オスマン帝国の進撃を幾度となく食い止めたという堅牢な防衛拠点。1990年代のユーゴスラビア紛争では激しい戦火にさらされた悲劇の街でもあります。

  • カルロヴァツ行きの列車カルロヴァツ行きの列車
  • カルロヴァツ駅カルロヴァツ駅
  • カルロヴァツの街並みカルロヴァツの街並み
イェラチッチ広場

カルロヴァツの中心地は、星型の要塞跡の内側にあるイェラチッチ広場。4本の川を表す井戸があり、1869年に星型要塞の中心を示すモニュメントが造られています。隣接する1581年創建の三位一体教会は、ロココ様式の礼拝堂やトミスラフ王の戴冠式の様子を描いた絵画が見どころ。1692年の火事の後に1698年に再建され、現在の姿になりました。

  • イェラチッチ広場と三位一体教会イェラチッチ広場と三位一体教会
  • 広場にある4本の川を表す井戸のモニュメント広場にある4本の川を表す井戸のモニュメント
  • 三位一体教会の礼拝堂三位一体教会の礼拝堂
  • トミスラフ王の戴冠式を描いた壁画トミスラフ王の戴冠式を描いた壁画
  • 星型要塞ジオラマ星型要塞ジオラマ
野外戦争博物館

1991~1995年の旧ユーゴスラビア軍との内戦で破壊された家々が残る博物館です。一角には壊れた戦車や戦闘機が展示され、当時の写真パネルとともに戦争の悲惨さを伝えています。

  • 野外戦争博物館野外戦争博物館
  • 内戦の爪痕内戦の爪痕
  • 壊れた戦闘機壊れた戦闘機
フォギノヴォ水浴場

4つの河川は今、市民の憩いの場となっています。プリトヴィッツェ湖から流れるコラナ川の清流に作られたのは、飛び込み台もあるフォギノヴォ水浴場。ウォータースポーツのメッカとなったムレジュニツァ川では、小さな滝が連続する川でカヌーやラフティングボートを楽しむ人々の姿が見られます。クロアチア唯一の四つ星キャンプ場、スラピッチ・キャンプ場には海外からも多くの家族連れがやってきます。

  • フォギノヴォ水浴場フォギノヴォ水浴場
  • フォギノヴォ水浴場の飛び込み台フォギノヴォ水浴場の飛び込み台
  • スラピッチ・キャンプ場スラピッチ・キャンプ場
  • スラピッチ・キャンプ場スラピッチ・キャンプ場
レストラン「グラディナ」

カルロヴァツの名物は羊や豚の丸焼き。近郊で獲れた野禽を使ったジビエも味わえます。

  • 羊の丸焼きのプレート羊の丸焼きのプレート
  • 羊の丸焼き羊の丸焼き
  • イノシシとクマのソーセージイノシシとクマのソーセージ

プリトヴィッツェ湖群国立公園 大小16の湖が連なるエメラルド・グリーンの自然のアート

プリトヴィッツェ湖群国立公園

絶景の水景色が広がる、クロアチアが誇る世界遺産の国立公園です。標高639mから150mに至る間に階段状の湖が16個形成され、それらが92の滝で結ばれています。クロアチア紛争時にはセルビア軍の管理下に置かれ、一時は「危機遺産」に登録されましたが、幸運にも景観は守られ、現在は年間120万人が大自然の芸術を求め、ここを訪れています。

  • プリトヴィッツェ湖群国立公園プリトヴィッツェ湖群国立公園
  • 16の湖が連なる自然美16の湖が連なる自然美
  • エメラルド・グリーンの水面エメラルド・グリーンの水面
  • 水量豊富な92の滝水量豊富な92の滝
ラストキ村

プリトヴィッツェ湖群国立公園から約30㎞、コラナ川とスルンチツァ川の合流地点に位置する人気のスポット。渓流沿いに小さな滝や水車小屋が点在する村の雰囲気は、まるでおとぎ話の世界。街全体が自然保護区になっているこの美しい村では、清流沿いのレストランで名物のマスのグリルも楽しめます。

  • ラストキ村ラストキ村
  • ラストキ村のレストラン「PETRO」ラストキ村のレストラン「PETRO」
  • マスのグリルマスのグリル

リエカ アドリア海に臨むクロアチア最大の港湾都市

リエカ市街

カルロヴァツ駅から、ディナル・アルプス越えの景勝路線を駆け抜けると、アドリア海沿いのリエカに到着。リエカは紀元前にローマ帝国の支配下に入り、以後交易の中継地として歴史を重ねてきた港町。15世紀にはハプスブルク家の領土となり、18世紀にはトリエステに並ぶ国際港に成長しました。19世紀の鉄道の開通で、貿易都市としての重要性が一段と高まったリエカからは、現在もアドリア海を渡る大型フェリーが数多く運航しています。

  • ディナル・アルプスを越える列車ディナル・アルプスを越える列車
  • リエカの街並みリエカの街並み
  • リエカ港リエカ港
トルサット城

港町を守るため、リエカ近郊の丘には幾つもの要塞が置かれていました。その重要な防衛の拠点となったのがここです。古代に砦が築かれ、中世には城として整備されたトルサット城は、19世紀に改築され現在の姿になりました。城から見渡せるリエカの街並みやクヴァルネル湾の景色は圧巻です。

  • トルサットの丘トルサットの丘
  • トルサット城トルサット城
  • トルサット城トルサット城
トルサット聖母教会

キリストが暮らしたナザレの家が1291年、天使によって運ばれたとされる、伝説の地に建つ聖なる教会です。1294年に家は消え、イタリアに移った後も、この地は奇跡の場所として多くの巡礼者を集めてきました。家が出現したという5月10日には毎年、世界各国からの巡礼者で一層の賑わいを見せます。

  • トルサット聖母教会トルサット聖母教会
  • トルサット聖母教会内部トルサット聖母教会内部
  • 1369年ローマ法王から送られた聖母マリア像1369年ローマ法王から送られた聖母マリア像
  • 教会前のヨハネ・パウロ2世像教会前のヨハネ・パウロ2世像
コルゾ通り

中世には堅牢な城壁で囲まれた要塞都市であったリエカ。その城壁を崩し18世紀に造られたというリエカのメインストリートです。カフェやブティックが軒を連ねる通り沿いには、ネクタイやチョコレートの専門店など、クロアチアを代表するショップが点在。中世から続くリエカ・カーニバルでは、ここが仮装行列のメイン会場になります。

  • 全長400mの歩行者天国、コルゾ通り全長400mの歩行者天国、コルゾ通り
  • コルゾ通りのランドマークの時計台コルゾ通りのランドマークの時計台
聖ヴィート教会

リエカの守護聖人、聖ヴィートが祀られた円形の教会です。主祭壇のキリスト磔刑像は、かつて石が当たった際に血を流したと伝わる奇跡の像。キリスト像の脇にはその時当たった石も一緒に飾られています。

  • 聖ヴィート教会聖ヴィート教会
  • 聖ヴィート教会の主祭壇聖ヴィート教会の主祭壇
  • 奇跡のキリスト像奇跡のキリスト像
ローマン・アーチ

ローマ時代に開かれたリエカの旧市街には、スタラ・ヴラタと呼ばれる脇道に、建物にのめりこんだ状態で4世紀の城門が残されています。この城門跡、ローマン・アーチの先にあるイヴァナ・コブレラ広場では、パルプを粉砕する石臼を利用した噴水が名物になっています。

  • ローマン・アーチローマン・アーチ
旧製紙工場

交易都市リエカはクロアチア屈指の工業都市でもあります。ユーゴスラビア時代には自動車や繊維とともに、豊富な湧き水を活かした製紙工場もフル稼働し、国の経済をけん引していました。

  • 旧製紙工場旧製紙工場
  • 旧製紙工場旧製紙工場
中央市場

アドリア海の魚介類をはじめ、ありとあらゆる食材が並ぶ市民の台所。建物内だけでなく、その周りにも青空市場が広がる大規模な市場には、野菜や果物も並び、早朝から1日中活気にあふれています。

  • 港近くの中央市場港近くの中央市場
  • 屋外にも広がる中央市場屋外にも広がる中央市場
  • 海産物が並ぶ屋内の中央市場海産物が並ぶ屋内の中央市場
  • 1日中賑わう中央市場1日中賑わう中央市場
レストラン「ナ・カントゥヌ」

地元でも評判のシーフードの名店です。水と白ワイン、オリーブオイルで作る、独特のソースを使ったエイの煮込みは中でも絶品です。

  • レストラン「ナ・カントゥヌ」レストラン「ナ・カントゥヌ」
  • エイの煮込みエイの煮込み
  • タコのサラダタコのサラダ
  • 魚介のパスタとチーズ魚介のパスタとチーズ

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