映画

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩

第２次世界大戦下のウクライナ（当時はポーランド領）を舞台に、同じ屋根の下に暮らす互いに民族や文化の異なる３家族が離散の運命をたどるさまを切なく描いた感動作。

ロシアや東欧諸国と国境を接し、長年、戦争や侵略によって領土を奪われ続けてきた苦い歴史を持つウクライナ。本作は、同国の女性監督O・モルグネツ＝イサイェンコが、くしくもロシアによる侵攻が始まる直前の2021年に放った注目作。同じアパートの住人として仲良く暮らしていた、ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の3家族が、第2次世界大戦の開戦によって次第に散り散りの運命をたどる中、映画の題名にもなったウクライナ起源の歌曲が、彼らをつなぐ希望の架け橋として美しく鳴り続けるさまを哀切に描く。