映画

サンダカン八番娼館 望郷

＜からゆきさん＞と呼ばれ、苦難の道を歩んだひとりの女性の半生を、社会派の名匠・熊井啓監督が山崎朋子のノンフィクションをもとに哀切に描き、絶賛を博した力作ドラマ。

かつて長崎の貧困家庭出身の娘たちが人身売買で海外へ売られ、苦難の人生を歩むことに。そうした＜からゆきさん＞と呼ばれる人々の知られざる悲哀の実態を明らかにして話題を呼んだ山崎のベストセラーノンフィクションを、熊井監督が意欲的に映画化。先に同監督の「忍ぶ川」にも主演した栗原小巻が、＜からゆきさん＞の聞き書きに励む女性史研究家に扮する一方、物語の実質的な主役を担う＜からゆきさん＞の若い頃を高橋洋子、そして現代の老婆の彼女を日本映画界屈指の大女優・田中絹代が熱演し、絶賛を博した。