映画

素敵なダイナマイトスキャンダル

「火口のふたり」の柄本佑が、伝説的エロ雑誌のカリスマ編集長に扮して、はじけた演技を披露。末井昭の同名自伝的エッセイを冨永昌敬監督が映画化した青春グラフィティ。

7歳の時、自分の母親が隣家の若い男とダイナマイトで心中するという衝撃的な事件に接し、1970～80年代には、エロを売りにしたサブカル雑誌のカリスマ編集長として名をはせた末井。昭和後期のアングラ文化を牽引した彼の猥雑で波瀾万丈の人生を、冨永監督がエネルギッシュに活写。柄本が主役で体当たりの熱演を披露するほか、前田敦子、尾野真千子ら、豪華多彩な顔触れが各自の個性と存在感を発揮。音楽を共同で手掛けた菊地成孔が、荒木経惟をモデルにしたエロ写真家役で劇中出演しているのも見もの。