映画

判決、ふたつの希望

キリスト教徒とイスラム教徒が対立するレバノンで、男性２人が“ヘイトクライム”をめぐり、法廷で争う事態に……。人種間・民族間の差別問題について考えさせられる秀作。

第90回アカデミー賞で、レバノンが参加した作品として史上初めて外国語映画賞にノミネートされ、第74回ヴェネチア国際映画祭でイスラム教徒ヤーセル役のK・E・バシャが男優賞に輝いた衝撃作。レバノンの首都ベイルートで、キリスト教徒とイスラム教徒が小さなきっかけから対立し合い、“ヘイトクライム”かと問題になる。難しい政治的テーマをはらむと同時に、どうすれば異なる人種・民族の人々は対立せずに済むかという普遍的問題について考えさせられ、なおかつ法廷ミステリーとしても存分に楽しめる秀作だ。