映画

極道黒社会　RAINY　DOG

三池崇史監督が哀川翔を主演に迎えたハードボイルドアクションで、同監督による“黒社会３部作”の第２弾。台湾の都市・台北を舞台に、ある日本人ヒットマンの彷徨を描く。

三池監督が台北に乗り込み、現地で全面ロケを敢行した意欲作。台北の路地に降り注ぐ雨が、異国の地でアイデンティティーが揺らぐ主人公に容赦なくたたきつけられる。見る者にさまざまな解釈を迫る世界観だが、日本映画と思えない、まさにアジア映画という境地に達した三池監督のフットワークは驚嘆すべきもの。哀川と田口トモロヲ（“黒社会3部作”ほか三池作品に多数出演）以外のキャストに中国系俳優がずらりとそろったのもムードたっぷり。スタッフも台湾人が多く、まさに“脱日本映画”を思わせる佳作となった。