映画

連弾

天海祐希が、夫との関係が破綻しながらも、娘との連弾を披露するピアノ発表会のため家族を続ける妻役を好演した奇妙な味わいの家族ドラマ。夫役の竹中直人が監督も務めた。

経塚丸雄による城戸賞受賞脚本を、映画監督としても活躍する俳優の竹中が映画化。壊れかけた家庭を舞台に、母娘によるピアノ連弾の発表を控えるという細い絆だけでつながった一家の姿が描かれる。竹中監督が持ち味を活かし、重くなりそうな題材を絶妙のさじ加減で後味良く仕上げてみせた。程よいコメディエンヌぶりを交え、エリートキャリアウーマンというヒロイン役を冷たくなり過ぎずに演じ切った天海の好演も光る。畳敷きの和室に置かれたグランドピアノで練習する母娘の姿が作品のユニークさを象徴するようだ。