世界ならびにヨーロッパの現王者としての誇りを賭け、来月9日に開幕するUEFA EURO 2012TM(サッカー欧州選手権)で2連覇を狙うスペイン代表。確固たるプレースタイルはもちろんのこと、既に本番に向けて戦力も大枠固まっているチームだが、その中で唯一未知数とも言えるのが前線の陣容だ。
そのような状況を作り出しているのは、これまで不動のエースとしてチームを支えてきたバルセロナのビジャが、昨年12月に負った左足の骨折からいまだに復帰できていないからに他ならない。
そのビジャについては、バルセロナのジョゼップ・グアルディオラ監督が4日、「状態は良い。痛みも殆どなく、予定通りに回復している」と現状を説明する一方、スペイン代表のビセンテ・デル・ボスケ監督も同日、「彼はこれまでの実績からして最もゴールが確実に計算できる選手なので、最後の最後まで回復を待つ」との姿勢を示した。
デル・ボスケ監督は、今月15日に招集候補を発表し、20日から行われる合宿でメンバーを絞り込んだ上、27日に最終リストを発表する予定となっている。いずれにしても、これまでの同監督のメンバー選考を踏まえると、9番タイプの選手は3人となる可能性が高く、最大でも4人となると見込まれている。
一方、ビジャが計算できないことにより、現時点でUEFA EURO 2012TMでのメンバー入りが当確と見られているのは、UEFAヨーロッパリーグおよび“コパ・デル・レイ”(スペイン国王杯)で決勝に進出するなど躍進著しいチームにおいて必要不可欠な存在であるA・ビルバオのフェルナンド・ジョレンテだけとなっている。したがって、残りの2〜3枠をその他の候補が争うことになるが、どの選手も一長一短の状況にある。
まず、これまでビジャと共に常にメンバー入りしてきたチェルシーのフェルナンド・トーレスは、調子を取り戻しつつあるとはいえ、長きに渡る不調により直近の招集を外れている。一方、トーレスに代わり5年ぶりに代表に復帰したバレンシアのソルダードは、逆にシーズン終盤になって調子を落としている。また、セビージャのネグレドは今シーズン13ゴールを挙げているものの、ソルダードの17ゴールには遥かに及ばない。
こうした中、その存在が大きくクローズアップされているのがシャルケのラウールだ。2006年ワールドカップを最後に招集から外れているラウールには、これまで何度も代表復帰を推す声が挙がってきたが、ここに来て待望論が日増しに強まっている。この状況を受けたデル・ボスケ監督は、同選手の招集可能性についてこう説明している。
「ラウールはスペインのフットボール界を代表する偉大な選手だ。彼は代表入りにふさわしいシーズンをシャルケで送った。一方、全員をチームに呼ぶことができないという点では、彼も他の選手と条件は同じだ」
デル・ボスケ監督の発言を読むだけでは、ラウールの6年振りの代表復帰が実現するかは分からない。それだけに、15日の招集候補発表では、このベテランストライカーの名前が呼ばれるか否かに最大の注目が集まると言えるだろう。









