イロイロ　ぬくもりの記憶

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…と思ったら違っていて… herocomeon ★★★☆☆ 2016/6/2 11:17

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…あらすじは、WOWOWの解説の次のとおり。　　『1997年のシンガポール。　　共働きの多忙な両親のもと、わがままいっぱいに育ったひとりっ子のジャールーは、小学校でもたびたびもめ事を起こして周囲の手を焼かせる問題児。　　困り果てた母親は、彼の世話係のメイドを雇うことを決意。　　かくして、自分の幼子を故国に残してこの地に出稼ぎに来ていたフィリピン人女性のテレサが、彼らの家に住み込みで働くことに。　　当初はまるで言うことを聞かず、彼女を困らせるジャールーだったが…。』　　原題（英題）は『Ilo Ilo』で日本の「色々」を想像してしまったが全く関係がなく、実際にアンソニー・チェン監督が4歳から12歳までの8年間、実家に住み込みで働いていたフィリピン人のメイドの故郷の島の名前『Ilo Ilo』から採ったそうだ。　　『彼女（テレサ）を困らせるジャールー』には本当にムカついたが、中でも、清算していない品物をテレサの買い物袋に入れて万引き犯に仕立て上げる狡猾さには、頭をボコってやりたくなった。　　で、テレサは頭をボコりこそしなかったが、真摯にジャールーを叱ってくれたので、二人の間に仄かな情愛（ジャールーからすれば敬慕か）が芽生えるのだった。　　そんな二人の関係を身重な母親は複雑な面持ちで見詰めるのだったが、正社員として働く自分の会社ではリストラが進み、旦那も失業してしまったのでジャールーにかまけている暇はなかった。　　「たまごっち」がシンガポールでも流行っていたのには驚いたが、それを捨てられて……で……ヒヨコをベランダで買い始めて……みるみるうちに成長していって……その鶏が一羽二羽と減っていくのはリアルでドキッとしてしまった。　　そんなこんながありながらも、ジャールーとテレサの蜜月？はいつまでも続く筈がなく、別れの時はやってきてしまうのだった。　　「行っちゃぁイヤだ～！」とジャールーはテレサにしがみ付き……と思ったら違っていて……ジャールーのとった行動には新鋭アンソニー・チェン監督の非凡さを垣間見せられた。　　また、母親からのテレサへのプレゼントも……優しさととるか、したたかさととるか、監督のお茶目さが伺えることでもあった。　　…ウォルシュさんがレビューされているとおり、『お隣さんの生活を垣間見るような、普遍的なテーマをちりばめた一般的な家庭が描かれ…[中略]…１９９７年が舞台ということで、近いようで遠い懐かしさも感じさせる』一見の価値は十分にある作品だった。

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ノスタルジックウォルシュ ★★★☆☆ 2016/5/23 23:08

シンガポール作品はなかなか見る機会がないので、楽しみに観る。　お隣さんの生活を垣間見るような、普遍的なテーマをちりばめた一般的な家庭が描かれる本作は、移民問題になじみの薄い私たちにも、共感できる部分が多く、すんなりと受け入れられる。　１９９７年が舞台ということで、近いようで遠い懐かしさも感じさせる。　　アンソニー・チェン監督は、本作が長編デビューとのこと。　時がいつの間にか過ぎていく自然な編集、子供の描き方のうまさなど、今後も次回作を観てみたいと思わせてくれた。　観る機会があることを願う。

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