大会第11日
男子シングルス準決勝


(チェコ)
(セルビア)
解説:柳 恵誌郎 実況:河路 直樹
ジョコビッチにとって、グランドスラムでは優勝した08年の全豪オープン以来、ウィンブルドンでは自身初の決勝進出をかけた大事な試合だ。ロフスとの1回戦はフルセットの末に辛勝だったが、その後は4回戦でヒューイット相手に1セットを落としただけで、ここまで順調に勝ち上がってきた。今年のグランドスラムでは全豪、全仏ともに最終セットまでもつれて2連敗していただけに、ロフス戦の勝利で得た自信は大きい。世界ランク2位浮上も決まったが、これまで芝コートでの優勝経験0というのが不安要素でもある。
一方のベルディヒは、ジョコビッチとの対戦成績2戦2敗。しかし、準々決勝で第1シードのフェデラーを倒し勢いに乗る。長身から繰り出されるサーブ、ショットの威力はともに十分。チェコ勢のウィンブルドン決勝進出となれば87年のイワン・レンドル(当時チェコスロバキア)以来であり、遅れてきたナダル世代の快進撃に注目したい。
大会第11日
男子シングルス準決勝


(イギリス)
(スペイン)
解説:土橋 登志久 実況:久保田 光彦
王者フェデラーの準々決勝敗退でナダルの視界が広がったかといえば、必ずしもそうではない。というのも、マレーとの対戦成績は7勝3敗だが、最近5試合では2勝3敗と負け越しており、今年の全豪での直接対決はひざの故障をかばい途中棄権。宿敵ソダーリングを下した今大会の準々決勝も余裕のある勝利ではなかった。
対するマレーはここまで順風満帆。初戦から5試合終えてセットダウンわずか1と、ムードは最高潮だ。特に序盤戦、サッカーW杯で地元イングランドのプレッシャーが分散したことが良かったとの声が多い。エリザベス女王陛下の33年ぶりとなるご観戦を仰いだ2回戦以降、サーブの調子も上がってきている。ナダルが優勝した08年の準々決勝では全く良いところなくストレート負けを喫しているが、その年の全米オープン準決勝では見事にリベンジを果たした。ちなみに、マレーがウィンブルドン決勝に進めば、英国勢としては1938年以来実に72年ぶり。
現世界ランクNo.1のナダルと、地元ファンの期待を一身に背負うマレー。熱く激しい戦いになりそうだ。