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愛’S EYE WOWOWテニス・スペシャルコメンテーターの杉山愛が、 世界を舞台に戦ってきた経験を基に、 試合を分けたポイント分析から、 テニスを通じて得たさまざまな知識・経験まで、 独自の視点を披露する!

杉山愛 オリジナルコラム 【愛'S EYE】

第135回 選手が試合中に見ているノートには、どんなことが書いてある?

セレナでさえノートに書くのは「重心を低く」とか基本的なことです


 前回は試合の時にチェックポイントや確認事項を書いたノートをコートに持ち込むという話を書きましたが、今回はそのノートの内容について、もう少し書いていきたいと思います。

 私の場合、その時その時で自分にしっくりくることは違っていたので、いつも同じようなことを書いていたわけではありません。

 ただ、その中では、躍動感のある動きをイメージできるような言葉を書くことが多かったと思います。例えば、私は早い展開のテニスを心がけていたので、早いテークバックをすることであるとか、打ったら止まっていないで次の動きに移るという意味で「ヒット・アンド・ムーブ」とか。

 あとは「エネルギー」とか。やっぱり、元気がないと(笑)。調子の悪い時って、どうしてもエネルギーダウンしてしまうので、そういうことのないように「エネルギー!」と。

 また、身体のコア(体幹)をしっかりさせるために「ベリーボタン・イン」とか。お腹(おへその部分)をクッとへこませることで、体幹がしっかりします。体幹がしっかりすると、逆に手足など身体の末端がリラックスする。その意味で、体幹を意識させる言葉をノートに書いたのです。

 セレナ・ウイリアムズのメモが画面でチラッと見えたことがあって、見るとそこには「ステイ・ロー」と書いてありました。グラスコートのウィンブルドンでしたから、重心を下げないと素早く動けないから、それを忘れないようにということですね。

 え? そんな基本的なことか、と思うかもしれません。でも、そういうことなんです。彼女にとってはこういう言葉がしっくりきたのでしょうね。ノートに書いてあるのは、大体そういう内容です。本当に当たり前のこと、初歩的なこと、基本的なことが多いですね。

 それにしても、世界ナンバーワンのセレナが、そういうところをきちんとやっているというのは印象的です。試合前に、あのセレナが自分でメモを書いて、それをゲームの合間に確認している姿を想像すると、なんだかかわいらしいですよね。でも、選手というのは、それだけ必死だし、それだけ謙虚でもあるのです。



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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム62大会連続出場のギネス記録を持つ。

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