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愛’S EYE WOWOWテニス・スペシャルコメンテーターの杉山愛が、 世界を舞台に戦ってきた経験を基に、 試合を分けたポイント分析から、 テニスを通じて得たさまざまな知識・経験まで、 独自の視点を披露する!

杉山愛 オリジナルコラム 【愛'S EYE】

第127回 デビスカップ日本対コロンビア戦に向けて

ホーム開催は大きなアドバンテージ。日本の勝利を信じています

愛'S EYE

写真:YUTAKA/アフロスポーツ


 デビスカップ・ワールドグループ・プレーオフの日本対コロンビア戦は9月13日から有明コロシアムで行われます。この対戦に勝利すれば、日本の2年ぶりのワールドグループ復帰が決まります。

 日本チームにとってなにより大きいのは、ホームで戦えることです。シーズン終盤のこの時期に南米に行ってクレーで戦うより、やはり有明で戦えるほうがいい。アウェーなら当然、時差もあるし、気候も日本と大きく違います。おそらく高地で試合をするでしょうから、いろいろな条件が違いすぎて選手は戸惑うでしょう。

 トッププレーヤーの錦織圭選手なら、どんな条件でも戦えるとは思いますが、ホーム開催は日本チームにとって勝利に近づく第一歩、まずはビッグアドバンテージを得たと言っていいでしょう。

 日本代表は錦織圭、添田豪、杉田祐一、伊藤竜馬の4人、コロンビアのメンバーはサンティアゴ・ヒラルド、アレハンドロ・ファージャ、フアン セバスチャン・カバル、ロベルト・ファラと発表されました。

 相手のシングルスはヒラルドとファージャと予想できます。南米のイメージからクレーコートが得意な選手たちかと思いきや、ヒラルドもファージャも速めのコートも結構得意にしていて、実際に試合を見てもそういう印象を受けます。

 ですから、ホームの有利さはあったとしても、クレーが得意な南米の選手だし、ハードコートの有明なら……とのんびり構えてはいられません。もちろん、対戦する選手もそこは十分わかっていると思います。

 錦織選手はヒラルドに2勝1敗、ファージャには3勝しています。ヒラルドには一度敗れているものの、対戦経験があることは大きいと思います。今はいろいろ情報を得る手段がありますが、やはり対戦から得られるものは多く、しかも勝っている、いいイメージがあるのは全然違います。自分がやらなくてはいけないことも明確になっていると思うので、そこが大きいと思います。

 仮に錦織選手が2勝するとして、どうやってもう1勝、または2勝するか。相手にカバル/ファラという、ツアーで常に組んでいるダブルスペアがいるのは日本にとって脅威。そこで、できればシングルスで勝利を収めたいところです。

 直前にならないとわかりませんが、添田選手が出るにしても杉田選手、伊藤選手が出るにしても、有明コロシアムは慣れたコートですし、観客の声援もあるので、それをプレッシャーと感じずにエネルギーにして、思い切り戦えれば少なくとも1勝はできると信じています。

 団体戦は、自分の試合を待っている時間というのが嫌なもので、前の試合を見たい、でも自分の試合の準備もしなくてはいけない、という難しさがあります。その準備も簡単ではありません。前の試合の結果によって、自分がどういう気持ちで試合に入るかがまったく違ってくるからです。だから、気持ちの準備をしていくのがすごく難しいのです。

 ただ、そういう経験もデビスカップやフェドカップならでは。選手にはすごく貴重な経験です。個人戦では味わえない精神状態も味わえるので、その経験は個人戦にも生きるはずです。

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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム62大会連続出場のギネス記録を持つ。

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