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愛’S EYE WOWOWテニス・スペシャルコメンテーターの杉山愛が、 世界を舞台に戦ってきた経験を基に、 試合を分けたポイント分析から、 テニスを通じて得たさまざまな知識・経験まで、 独自の視点を披露する!

杉山愛 オリジナルコラム 【愛'S EYE】

第79回 テニスプレーヤーと恋愛

人を愛する気持ちを抑えてテニスに打ち込むのは、自分らしくない

 今回は、私の恋愛論、という感じで書いてみます。

 遠征の多いテニスプレーヤーの恋愛は、常に遠距離恋愛のようなもの。ですから、ボーイフレンドには理解も求められます。テニス選手に限らず、忙しい女性と付き合うには、やはり、それなりの覚悟というか理解が必要になると思います。そして、「たまにしか会えないけれど、それでもいい」と思えるようなものをお互いに持っていないと、やはりうまくいきません。

 どんなに忙しくても相手をケアする気持ちは持っていたいですね。今はメールでもSNSでも、いつでもやり取りができます。ほんのひと言で相手の気持ちを温かくすることもできるので、気づかっている気持ちを表現することは大切だと思います。

 忙しいからといって、プツッと音信不通になってしまうのはよくありません。連絡がなければ、相手がどう思っているのか、何を考えているのかも分からない。「忙しいんだな」と分かってくれるはず、というのは通じないと思います。

 大切に思っている人なら、ほんのひと言でも、メールを書くべきですよね。疲れていても、メールなら1分で打てるのですから、「今日もお互い長い一日だったね。おつかれさま」でも「疲れちゃったから寝るね」だけでもいいのだと思います。それで何か伝わるものがあると思います。いくら思っていても、相手に伝わっていなければ、思っていないのと同じになってしまいますよね。

 恋愛とか、誰かを愛することって、ある意味、人生の醍醐味でもあると思います。そういう気持ちを我慢してテニスに打ち込むというのは、自分らしくないと思っていました。窮屈ですし、何かに縛られてもっと大切なものを失うことになると思います。

 ただ、失恋は、やはり大変ですよね。ひどい別れ方をしたこともありましたが、それは失恋すれば、私でも落ち込みますよ(笑)。自分の何が悪かったんだろうと思ったり。でも、「私の良さを分かってくれない人なんだから、別れてよかった」と、いい方に考えました。こんなヤツのために落ち込んでなんかいられない(笑)と。悲しさが逆にバネになりましたね。

 ただ、恋愛にのめり込んでテニスに手を抜くというのは、私の性格ではありえないことでした。

 現役のころは、どうしてもプライオリティの第一はテニスです。そう考えると、本気の恋愛はしにくかったのかもしれません。でも、オンとオフの切り替えはすごく大切なので、ボーイフレンドなり親友なり、オフの時間をシェアできる大切な人たちがいるというのは、自分にとってすごく大事なことでしたね。


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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム62大会連続出場のギネス記録を持つ。

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