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愛’S EYE WOWOWテニス・スペシャルコメンテーターの杉山愛が、 世界を舞台に戦ってきた経験を基に、 試合を分けたポイント分析から、 テニスを通じて得たさまざまな知識・経験まで、 独自の視点を披露する!

杉山愛 オリジナルコラム 【愛'S EYE】

第72回 楽しみなロンドンオリンピック

テニスプレーヤーの五輪への思いは大きく変わってきました

愛'S EYE

写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 オリンピックにはアトランタ(1996年)から北京(2008年)まで計4回出場しています。4年に一度ですから、そのときそのときで自分自身の臨み方も精神状態も大きく違いました。4年というのは結構な年月ですから、最初のオリンピックは若手として行っても、次は中堅として出場するわけで、五輪のとらえ方も毎回変わってきます。

 もちろん、毎年巡ってくるグランドスラムとは違った臨み方になります。ツアーでは、コーチをはじめとするスタッフを自分で選んで帯同してもらうのですが、オリンピックはそうではありません。選手村に入れる人数も限られているので、選手以外のスタッフは外に泊まらなくてはいけないとか、便利さから言ったら、普段のツアーに比べて不便なところもあるんです。

 そうした点を差し引いても、モチベーションはグランドスラムと同じくらい高くなります。それはやはり、4年に一度のオリンピックだからです。ツアーでは大きな額の賞金が得られるわけですが、オリンピックで得られるのは名誉です。これもプロのテニスプレーヤーにとって大きく違う部分ですね。

 アテネ五輪女子ダブルスでナブラチロワ/レイモンドと対戦した準々決勝(パートナーは浅越しのぶ選手でした)は、会場の雰囲気はこれまででナンバーワンかなと思うくらいの盛り上がりでした。その中でプレーできたので、本当に気持ちよかったですね。

 北京五輪ではフェデラー選手がダブルスで金メダルを獲得しましたが、その興奮ぶりは私たち選手から見ても驚きでした。「あ、そんなにほしかったんだな」と。ほかでは見ることのできないフェデラーを見ることができたような気がします。五輪に思い入れがあって、普段の大会より気持ちが高まっている選手は少なくないと思います。

 テニス選手の五輪への思いも変わってきました。特に、フェデラーのようなトップの選手がそれだけこだわりを持ってプレーしたことが伝わると、他の選手にも影響します。もちろん、胸に国旗をつけて戦うわけですから、国の代表であることは普段より意識されるところです。デビスカップやフェドカップとも違う、気合の入れ方が見られます。国を代表する気持ちが強いと、後押ししてくれるものがあるのは間違いないでしょうね。

 ロンドン五輪のテニス会場はウィンブルドン。選手にとって1年に2回もウィンブルドンの芝の上に立てる機会は最初で最後だと思います。選手は相当楽しみにしているでしょうね。選手にとっては、初めて白以外のウェアを着てウィンブルドンでプレーする機会でもあります。ウィンブルドン選手権が終わって数週間しか経っていないので、新しく張り替えた芝がどんな状態なのか。もちろんプレーするには差し支えないでしょうが、これも興味のあるところです。


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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム62大会連続出場のギネス記録を持つ。

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