スタジアムガイド
“華の都”パリ近郊のブローニュの森の隣接するローランギャロス。熱狂的なテニスファンであれば一度は訪れてみたいこの会場の魅力をご紹介。実際に会場に行く機会がある方は参考にしてみては?
MAP
スタジアム紹介
コート フィリップ・シャトリエ(センターコート)
写真:Getty Images
フランスの元選手でのちにフランステニス連盟やITF(国際テニス連盟)の会長も務めるなど、国内外のテニスの発展に貢献したフィリップ・シャトリエ氏の名がセンターコートに付けられたのは2001年。現在の収容人員は14,840。美しく、燃えるようなアンツーカ(赤土)…ここがクレーコートの世界最高峰である。
クレーコートは少々の雨なら試合は続行されるため、現地を訪れるなら雨の中での観戦のご覚悟を。大きな傘を開く観客もいるが、周囲の迷惑になるので、レインコートなどの持参をおすすめする。
コート スザンヌ・ランラン(準センターコート)
写真:Getty Images
1994年、ローランギャロスに準センターコートが完成。当時は「コートA」というシンプルすぎる名前だったが、97年に、地元フランスの伝説の女子選手スザンヌ・ランランの名がつけられ、よりファンに親しまれるコートに。ランランはその実力もさることながら、ファッションでも革命を起こした選手。ドレスとコルセットという当時の女子テニスの常識を覆し、半袖&膝丈スカートで颯爽とプレーしたのだ。
スタジアムの席数は10,068で、センターコートよりはこじんまりしている分、コート上の選手をより身近に感じることができるかも。好き嫌いの激しいフランスの観客の応援スタイルに乗じて、声援もブーイングも思いっきりやってみては?
押さえておきたいローランギャロスの注目スポット
ミュージアム
全仏の歴史を知りたいならば、このスポットは外せない 写真:Getty Images
グランドスラムの中でも、全仏オープンはもっともファッショナブルでアートな大会。会場内のところどころにいる案内役のスタッフは、赤いジャケットをパリッと着こなしたイケメン&美女ばかり!
お土産ものはどれもお洒落で、特に毎年コンペでデザインが決まるオフィシャルTシャツは人気だ。
会場内のミュージアムには、そのTシャツの歴代のデザインが全て展示されている。他にも、名だたるデザイナーが手がけたテニスゆかりのアートの数々、大会の歴史を学べる貴重な資料に触れることができる。試合の合間にぜひ訪れてみてほしいスポットだ。
スザンヌ・ランラン像
この像の下を通る通路から、選手が現れる可能性あり 写真:Getty Images
コート スザンヌ・ランランのそばに、ランランが軽やかに跳ぶ姿を模した彫刻がある。だが、その周りに大勢の人が集まる目的は彫刻だけではない。そこが地下にある関係者施設への出入り口の一つになっており、時々プレーヤーも通るのだ。ただ、ビッグネームはまず通らない(パニックを避けるためか)。
超スター選手に会えるチャンスがもっとも高いのは練習コート。その選手の試合が行なわれない日が望ましい。比較的リラックスした姿が見られるし、サインをくれる確率も高いはず。試合スケジュールを手に入れたら、試合のないコートをチェックしよう。そこはほとんど練習用だ。あいにく練習スケジュールは一般には公開されないため、情報収集力(?)が試される。
メインストリート
大会期間中は日本の通勤ラッシュ並の混雑となるメインストリート 写真:Getty Images
年々来場者は増えているというのに、グランドスラムでは敷地面積がもっとも小さいのが悩みの種。特に1週目の混雑ぶりは激しく、通路が日本の通勤ラッシュ時並みになることもあるので、コート間の移動にかなり時間がかかる。あまりに動きにくい服装や大きすぎるバッグなどは避けたほうがいいかも。
なお、グラウンドチケットを買えば、スタジアムコート以外の場所ならだいたいどこへでも行ける。1週目はかなり有名な選手でも外のコートで試合を行なうし、日本選手の試合は見られる可能性が高い。グラウンドチケットは高くても20ユーロくらい。これで楽しむ術はいくらでもある!!