ヒューストン・ロケッツの中国人センター、ヤオ・ミンの引退報道を受け、中国では多くのファンが今後はNBAの試合を見ないと語っていることが分かった。一度は大きく拡大した中国でのNBA人気は、ヤオの現役引退をきっかけに冷めてしまう恐れもある。

　中国版ツイッター『Sina Weibo』では、あるユーザーが“これからNBAを見ることに何の意義があるのか？”と投稿。また、現地11日昼まで行われたWeiboのオンライン投票では、現在30歳のヤオの引退後はNBAの試合を見ないと答えた回答者が、過半数を越える57％にも上ったという。

　中国では過去10年間にわたり、ヤオを模範となる人物として称賛してきた。それだけにファンたちは今回の引退報道に相当なショックを受けている。中国のバスケットボールの解説者は、「中国の子供たちがバスケットボール好きになったのはヤオ・ミンのおかげだ。そして真のバスケットボール選手としてのあるべき姿を子供たちに示したのもヤオ・ミンなんだ」とその影響の大きさを語っている。

　また、25歳のスポーツトレーナーは、「彼は今日の社会に最も大きな影響を与えた人物のひとりだ。特に1980年代生まれの人たちが彼から受けた影響は計り知れない。新たなヤオ・ミンが誕生するのはまだ先なんだろうな」と、偉大なセンターへの想いを表している。

　229センチのセンター、ヤオは2002年ドラフト全体1位指名でロケッツに入団以来、中国やアジア諸国でのNBA普及に大いに貢献。グッズ販売やテレビ視聴率が急上昇するなど、コート上での活躍以外でもリーグに多大な影響を及ぼした。しかし、近年は足の負傷により満足にプレーすることができておらず、20日の記者会見で引退が発表されると見られている。（STATS-AP）

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