マブス初優勝の理由は!? 鍵は“結束力”
2011-06-14
現地時間12日にマイアミ・ヒートを下してNBA初優勝を飾ったダラス・マーべリックス。この10年は一定の成績を残しながらもプレイオフで結果を残せず、今季も様々なウィークポイントを指摘されながらのNBA制覇という快挙を達成した。その鍵は、“結束力”にありそうだ。
「ポイントガード(ジェイソン・キッド)は年寄り過ぎ。そのバックアップ(ホゼ・バレア)は小さ過ぎ」
「オーナー(マーク・キューバン氏)は厚かましくてビッグマウス。センター(タイソン・チャンドラー)は機動力はあっても壊れ物」
「指揮官(リック・カーライルHC)もスター(ダーク・ノビツキー)も、リーダーになれるほど強力じゃない」
プレイオフで快進撃を始めるまでは、上記のように様々な批判を受けたマブスだったが、見事にこの評価を塗り替えた。スーパーなチームはスーパースターが集まればできるわけではないということを証明してみせたのだ。
ファイナルMVPを獲得したノビツキーが、「チームバスケットの勝利だと、自分は思っている。コートのあらゆる位置でボールを回して、チームとしてプレーしたからこその勝利だよ。これをシーズンを通してずっとやってきたんだ」と語るように、優勝経験もなく大きく取り上げられることもほとんどなかった選手達が、結束力と献身性を武器に、言わば古いやり方で、ビッグ3を擁したヒートを叩き潰した。
ノビツキーは昨夏、これまでより低い年俸でマブスと再契約したが、これはオーナーのキューバン氏が、最良のサポーティングキャストを集めると約束した故のこと。新たにビッグスターを獲得するのではなく、あくまで現状のメンバー中心というオーナーの姿勢があったからこそ、大黒柱のノビツキーも残留を決断した。
そして、ノビツキーは今プレイオフでは大活躍を披露。特にファイナルでは左手中指の負傷や、体調不良といった逆境を跳ね返し、終盤のチームが最も得点を欲する時間帯には必ず期待に応え、これまでの「偉大なスコアラーだけど…」という評価から脱却してみせた。そして2007年のシーズンMVPに続き、今回はファイナルMVPを獲得。レギュラーシーズンとファイナルの両方でMVPを獲得した選手は、現役ではコービー・ブライアントとティム・ダンカンの二人しかいない。
また、マブスではチーム2位の平均得点を挙げていたカロン・バトラー、そして攻撃にバリエーションを与えられるロドリーグ・ボーボアがシーズン中に負傷離脱したが、経験豊富なショーン・マリオンを筆頭に、チーム全体で彼らの穴をカバーした。
マブスが3連勝を飾ったファイナルのラスト3試合ではバレアがスタメンに抜擢され、バレアもその期待に応えると共に、代わって控えとなったデショーン・スティーブンソンも、ベンチスタートという新しい役割を受け止め、スリーポイントなどでチームに大きく貢献した。
シックスマンとして活躍したジェイソン・テリーは、「(ヒートは)3つの部品で作られていた。俺達の場合は14、15かな。この自信は、自分達のシステムやコーチ陣と互いに信じ合ってやってきたからこそ。このチームのハートの大きさはテキサス並だよ!」と、全員が支え合ってきたからこその勝利だと強調している。(STATS-AP)
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