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みどころ・試合内容 / 2012年5月6日放送

みどころ・試合結果

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  • みどころ

5階級制覇の天才 VS 3階級制覇の強打者
スピード勝負ならメイウェザー、パワー勝負ならコットに勝機

5階級制覇の実績を持つ現WBC世界ウェルター級王者のメイウェザーが、コットの保持するWBA世界S・ウェルター級王座に挑むスーパーファイト。挑戦者の立場でありながら主催者がメイウェザーの名前を先に出すのは、やはり主役が35歳の5冠王であるからに他ならない。本来ならばメイウェザーは恋人に対する暴行罪で今年1月から87日間の収監が予定されていた。しかし、今回の大一番が内定していたため莫大な地域経済効果が見込めるとして、収監が試合後の6月1日に延びたという経緯がある。

メイウェザーは父親のフロイド・シニア、叔父のロジャー、同じく叔父のジェフもプロボクサーという環境で育った。ちなみにロジャーは2階級制覇の元世界王者で、現在は5冠王のトレーナーを務めている。ジェフも現在は指導者として活躍中で、昨年12月にはセレスティーノ・カバジェロ(パナマ=現WBA世界フェザー級王者)に同行して来日した。

メイウェザーのボクシングの特徴は、第一に「スピード違反」の声があるほどの速さにある。パンチはタイミングも軌道も計りにくく、反射神経も人間ばなれしたものがある。ディフェンス技術も極めて高く、いまや代名詞になったL字ガードや肩を巧みに使ったブロックなど達人の域にある。ほとんどパンチをまともに浴びたことがないため耐久力は疑問とされてきたが、2年前のシェーン・モズリー(アメリカ)戦では相手の右強打を浴びて膝を折りながら踏ん張り、この点でも優れたものがあることを証明している。S・フェザー級王者時代にカウントを数えられた経験はあるが、これは試合中に拳を傷めて自らグローブをキャンバスにタッチしてしまったもの。16年のプロ生活でダメージを蒙ってのノックダウン経験はない。

また、規定ラウンドを戦い終えてジャッジの支持を得られなかったことは、オスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)戦の一度だけだ(2−1の判定勝ち)。19度の世界戦(全勝10KO)を含み42戦全勝(26KO)と、戦績も完璧だ。

今回の試合に備えラスベガスのプライベートジムで連日午後4時から7時まで密度の濃い集中トレーニングを続け、調整は万全と伝えられる。4月下旬時点でオッズは11対2でメイウェザー有利と出ているが、本人はコットに対して強い警戒心を抱いている。「私はコットの戦歴も強さも十分に知っているので、彼のことを軽視してはいない。だから勝つために懸命にトレーニングしているんだ」

一方、試合前は脇役に甘んじながら試合後には一気に主役の座に躍り出ようというコットは、アメリカ・フロリダ州オーランドで2度にわたる集中トレーニング・キャンプを行った。キューバの元アマチュア・コーチだったペドロ・ルイス・ディアス・トレーナーとのコンビも昨年12月のアントニオ・マルガリート(メキシコ)戦に続いて2度目とあって、息も合っているようだ。「いまはメイウェザーを倒すことに集中している。初めての世界戦のとき以上の気分的高揚がある」と話している。

メイウェザー同様、コットもボクシング・ファミリーとして知られる。3歳上の長兄ホセ・ミゲールは元世界ランカーで、次兄ファン・ミゲールは元アマチュア選手だった。三男のミゲール・アンヘル・コットは11歳のときにボクシングを始めたが、契機はダイエットだった。当時、156ポンド(約70キロ)もあったのだという。体重を減らすために始めたボクシングで大成功を収めたのだから人の一生は分からないものだ。

シドニー五輪に出場するなど125戦102勝23敗(116戦93勝23敗説もある)のアマチュア戦績を残し、01年にプロ転向。これまでにS・ライト級、ウェルター級、S・ウェルター級の3階級で頂点を極めている。戦績は39戦37勝(30KO)2敗。こちらも世界戦だけで19戦(17勝14KO2敗)と、数字の中味は濃い。

08年7月にマルガリート、09年11月にマニー・パッキャオ(フィリピン=現WBO世界ウェルター級王者)にストップ負けを喫しているが、この時期に指導者との確執があったことを付記しておく必要があるだろう。その後、チームには兄ホセ・ミゲールが加わり、2年前には名伯楽の誉れ高いエマニュエル・スチュワート・トレーナーを招聘。そして昨秋からはスチュワート氏に代わってディアス・トレーナーと組んでいる。3年前から「ミゲール・コット・プロモーションズ」を主宰。昨年暮にトップランク社との契約が切れたのを機に独自の活動を開始し、今回のビッグマッチのチャンスを得ている。

身長、リーチに加えスピードでも勝るメイウェザー有利は誰もが認めるところだろう。いつものように創造性豊かな異次元のボクシングで3冠王を翻弄してしまうメイウェザーの姿を思い浮かべるのは、決して難しいことではない。そして、その可能性が高いということも否定はできない。

コットはガードを固めて強打を叩き込むという単純な待ちのボクシングをしたのでは勝機は薄くなってしまいそうだ。強引に距離を詰め、ロープに押し込んで上下に強打を見舞うことができれば面白い。特にボディ攻撃がカギを握りそうだ。

メイウェザーはライト級時代にホセ・ルイス・カスティージョ(メキシコ)戦、昨年9月のビクター・オルティス(アメリカ)戦で相手の強引な突進にわずかながら戸惑いを見せている。このあたりに天才攻略のヒントが隠されているのではないだろうか。

 



Written by ボクシングライター原功

サウル・アルバレス

サウル・アルバレス

S・ウェルター級トップ戦線の現状

WBAスーパー:ミゲール・コット(プエルトリコ)
WBA:オースティン・トラウト(アメリカ)
WBA暫定:アンソニー・マンディン(オーストラリア)
WBC:サウル・アルバレス(メキシコ)
IBF:コーネリアス・バンドレイジ(アメリカ)
WBO:ザウルベック・バイサングロフ(ロシア)
WBO暫定:ルーカス・コネクニー(チェコ)

ミゲール・コット(プエルトリコ)とサウル・アルバレス(メキシコ)をこのクラスの2強と呼んで差し支えないだろう。今回、コットがトップランク社を離れてゴールデン・ボーイ・プロモーションズ(GBP)と組んだことで、今後の大きな流れが少しは見えてきた。アルバレスがシェーン・モズリー(アメリカ)を退けたとしたら、次なるビッグマッチはメイウェザー対アルバレス、あるいはコット対アルバレスということになるだろう。もちろんマニー・パッキャオ(フィリピン)対ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)の勝者とメイウェザーあるいはコット、さらにはアルバレスとの頂上決戦も考えられるが、プロモーター間の確執を考えると実現にはさらに時間が必要と思われる。
ランカー陣では、元2階級制覇王者ポール・ウィリアムス(アメリカ)、エリスランディ・ララ(キューバ)、バーネス・マーティロスヤン(アメリカ)、ジェームス・カークランド(アメリカ)といった実績のある個性派が控えている。


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