韓流ブームで人気の韓国。風情ある町々を高速鉄道で巡る!

韓国周遊1300キロ

日本で根強い人気を誇る韓国。今年、念願の自国開発高速鉄道KTX2が開通し、都市間の距離が一気に縮まりました。今回は首都ソウルからKTX2で釜山へ。港町の風情を満喫した後、光州、全州、水原など個性豊かな町々を巡ります。各地の移動には従来の特急列車も紹介。各地の魅力とともに、鉄道旅の醍醐味をお楽しみください。

高速鉄道KTXの旅 ソウル〜大邱(テグ)〜慶州(キョンジュ)〜釜山(プサン)

高速鉄道KTXの旅 ソウル〜大邱(テグ)〜慶州(キョンジュ)〜釜山(プサン)

ソウル Seoul 人口の4分の1が集まる首都
高速列車KTX2

フランスTGVから技術を導入し、高速鉄道KTXが開通したのは2004年。ソウル〜釜山間が4時間半から2時間40分に短縮され、ビジネスや生活に大きな変化をもたらしました。さらに2010年3月、韓国が独自開発したKTX2(愛称・山川(サンチョン)ヤマメの意)も運行を開始。従来より座席幅も広く、ちょっとした会議もできるビジネス席やスナックバーも備え、より便利で快適な旅が楽しめるようになりました。

KTX2
KTX2
車内
車内
ソウル駅
ソウル駅
宗廟

朝鮮王朝歴代の、王と王妃の位牌を祀っている霊廟。朱塗りの列柱に囲まれた壮麗な回廊が観る者を圧倒します。正殿は王が亡くなるたびに増築されたため東西に長く、単一の木造建築物としては世界最長(101m)。毎年5月には「宗廟大祭」があり、王の子孫が一堂に会し、伝統衣装に身を包んで祭礼儀式を行います。1995年、世界文化遺産登録。

宗廟
宗廟
宗廟の回廊
宗廟の回廊
昌徳宮

第3代国王の太宗が、1405年に建造した王家の離宮。日本の梨本宮家から、大韓帝国最後の皇太子に嫁いだ方子女史もここで暮らしていました。見どころは、韓国最古の門「敦化門」や最古の橋「錦川橋」、13棟もの木造建築、韓国造園技術の粋を集めた庭園「秘苑」など。李朝時代の栄華を今に伝える建造物と自然の調和が美しく、1997年に世界文化遺産に登録されています。

昌徳宮仁正殿
昌徳宮仁正殿
大邱(テグ) Daegu ソウル、釜山に次ぐ韓国第3の都市
薬令市

朝鮮王朝時代からの歴史ある漢方薬市場。その昔、清の王様に献納する良質な薬を集めるため、年2回大規模な市が行われていたことが由来。大きな門をくぐると、700mほどに渡って生薬を売る店や韓医院が並び、漢方薬の香りが漂っています。

薬令市の店
薬令市の店
海印寺

802年創建、韓国三大名刹の1つ。「高麗八万大蔵経」が納められているので「法の寺」と呼ばれています。大蔵経とは仏教の聖典を総集したもので、海印寺にあるものは最高峰。木材を3年間海水に浸してさらに蒸し、十分に乾燥させてから一字一字僧の手で経典を彫り、最後に漆を塗って仕上げてあります。68×25cmほどの版木ですが、その数はなんと81,340枚。1995年に世界文化遺産に登録されました。

海印寺
海印寺
大寂光殿
大寂光殿
海印寺大蔵経板閣
海印寺大蔵経板閣
セマウル号

KTXが開業するまで、韓国鉄道の主役を担っていた全車指定の特急列車。ソウル〜釜山間を4時間40分で結んでいます。セマウルとは「新しい村」という意味。座席は普通車でもグリーン車並みに幅広く、フットレスト付き。しかもフルリクライニングで乗り心地はKTXより評判が良いとか。軽食や飲物が売られているスナックカーには、マッサージコーナーやカラオケコーナーまで設備されています。

セマウル号
セマウル号
慶州(キョンジュ) Gyeongju 紀元前から千年栄えた新羅王国の都
大陵苑

高句麗、新羅、百済の三国といえば歴史の授業を思い出す方も多いでしょう。慶州はその新羅王国があった都。街中に遺跡が点在し、「屋根のない博物館」とも呼ばれます。中でも大陵苑は、市の中心部にありながら23基の古墳を擁する広大な歴史公園。5〜6世紀のものとされる「天馬塚」からは、純金の冠や腰帯、白樺の皮を何層も重ねて白馬を描いた「天馬図」など、見事な装飾品が出土しています。

天馬塚
天馬塚
天馬塚内部
天馬塚内部
仏国寺

7世紀半ばに創建。三国統一を成し遂げた新羅王国で花開いた、仏教文化の代表的遺産です。毘盧殿、極楽殿、大雄殿、無説殿など、数々の立派な建物で一時は現在の10倍の大伽藍を誇りましたが、豊臣秀吉の文禄・慶長の役で大部分を焼失。数度の再建、廃仏政策時の荒廃を経て、1973年に現在の姿に復元されました。紫霞門の石組は上が仏国、下が現世を表し、階段は彼岸へ渡る橋を象徴しています。1995年、世界文化遺産登録。

釈迦塔
釈迦塔
大雄殿
大雄殿
紫霞門
紫霞門
良洞村

韓国内でも稀少となった、李朝時代の民家集落が残る村。伝統的な両班家屋や藁葺き屋根の家が160戸、中には200年以上経つものも50戸ほどあります。村ごと民族資料に指定されていますが、今も村人が普通に生活しており、運が良ければ住人の方が解説してくれることも。観光地らしい土産物屋やレストランもなく、のんびり静かに村落の景色を味わえる場所です。

良洞村
良洞村
ヘラン号

2008年11月に運行が始まった、ソウル発着の豪華な観光列車。海上のクルーズならぬ「レイルクルーズ」を謳っている通り、走る高級ホテルとして“移動”するだけでなく、各地を“旅行”してソウルに戻って来るのがポイントです。駅には専用ラウンジがあり、荷物をポーターが運んでくれるのも優雅な気分。客室にはベッド、シャワー、トイレが備わり、四方が見渡せる展望車やインターネットコーナーも。食堂車ではワインを片手に特製のお弁当が堪能できる他、経由地での観光や名店での食事なども料金に含まれています。

ヘラン号
ヘラン号
車内
車内
ラウンジカー
ラウンジカー
釜山(プサン) Busan 韓国最大の活気あふれる港街
チャガルチ市場

韓国最大の魚市場で、チャガルチは砂利の意味。戦争未亡人が南浦洞の砂利道に魚を並べて売ったのが始まりといわれています。長く露店街として発展しましたが、1970年に市場として整備され、現在のビルができたのは2006年。ビルに入ってもアジュマ(おばちゃん)たちの威勢の良さは変わらず、包丁さばきも客さばきも見事なもの。買った魚は食堂で調理してもらえます。

新チャガルチ市場
新チャガルチ市場
新チャガルチ市場内
チャガルチ市場のアジュマ(おばちゃん)達
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