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みどころ・試合内容 / 2014年5月26日 放送

みどころ・試合結果

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  • みどころ

在位8年のV15王者 VS サモア出身の「ライオン・ハート」
クリチコは「リーパイはタイソンのような選手」と警戒

クリチコは2000年10月から03年3月までWBO王座に君臨した実績を持ち、このときは5連続KO防衛を記録している。現在の王座は06年4月、クリス・バード(アメリカ)に勝って手に入れたもので、このIBF王座獲得後にWBO王座(08年2月)、WBA王座(11年7月)も掌中に収めている。第一次政権、第二次政権を合わせて24度の世界戦に臨み、22勝(17KO)2敗という戦績を残している。2メートル近い長身から正確で破壊力もある左ジャブを突き、ここぞというところで切り札の右ストレートを打ち抜く。

すでにその戦闘スタイルは完成されたものといっていいだろう。過去の3敗がいずれもKO(TKO)によるものであることでも分かるように、決して打たれて頑丈なタイプではないが、近年は打たれることそのものが稀になっている。長距離で相手をコントロールしておき、勝負どころで一気に畳みかける――この必勝パターンに持ち込めば、今回も中盤を待たずに3本のベルトをキープする可能性が高い。不安があるとすれば、アマチュア時代から二人三脚で歩んできた5歳上の兄ビタリが、昨年12月に政界転身のために引退したことから来る虚無感やモチベーションの低下などであろう。気持ちの面で空洞ができているようだと思わぬ落とし穴が待っているかもしれない。しかし、クリチコ自身は「リーパイはハングリーな選手で、映画のロッキー・バルボアみたいで、戦い方はマイク・タイソン(アメリカ=元世界ヘビー級王者)のように獰猛だ。油断はしない」と警戒を怠ってはいない。

そんなロングラン・チャンピオンに挑むリーパイは、昨秋までは世界的にほぼ無名の選手だった。2年前、世界挑戦の経験もあるベテランのケビン・ジョンソン(アメリカ)に9回TKO負けを喫したこともある。WBO8位に名を連ねてはいたが、ほかの3団体ではノーランクだったほどだ。ところが、11月にWBO1位でクリチコに対する指名挑戦権を持っていたデニス・ボイツェフ(ロシア)からダウンを奪って判定勝ち、自身が一気に最上位に浮上してきた。身長は183センチとヘビー級にしては小柄だが、中間距離で思い切った左右のフックを振り抜く好戦的な戦闘スタイルを持っている。タイソンほどではないにしても王者を脅かす攻撃力があることは間違いない。勢いという点でも無視できないものがある。

11対1というオッズが示すように今回もクリチコの圧倒的有利は動かしがたい。いつものようにクリチコが左ジャブで試合を支配し、右ストレートで決めるという可能性は極めて高いといえる。その一方、リーパイが玉砕覚悟で序盤から仕掛けると思わぬ波瀾も考えられる。ヘビー級らしい迫力あるシーンが見られそうだ。

 


Written by ボクシングライター原功



  • みどころ

30連続KOの新怪物 VS 元スパーリング・パートナー
ワイルダーは「全力で倒しに行く」とKO宣言

WBC3位のワイルダーと、23位のスコットは以前からスパーリングをする間柄で、友人同士でもある。そのふたりが世界王座への挑戦権をかけて拳を交えることになった。

高校時代までフットボールとバスケットボールの選手だったワイルダーは、19歳でボクシングに転向。わずか14戦で全米ゴールデングローブ大会で優勝し、21戦のキャリアで08年北京五輪出場を果たした。「ブロンズ・ボンバー」というニックネームは、同じアラバマ州出身の偉大な元世界ヘビー級王者ジョー・ルイスと、銅メダルを掛け合わせたものだ。身長201センチ、リーチ211センチという恵まれた体からダイナミックな右を叩きつける荒々しい戦い方をする強打者で、08年11月のプロ転向から30戦すべてを4ラウンド以内で終わらせてきた。その内訳は1ラウンド決着が17度、2ラウンドが6度、3ラウンドが4度、4ラウンドが3度で、30戦の総ラウンド数は53と少ない。1試合平均1.76ラウンドでけりをつけてきた計算になる。その一方、「ゴールデンボーイ・プロモーションズの庇護下にある」「まだ本当に骨のある相手と戦っていない」などという声もある。事実、耐久力やスタミナは未知というしかない。

対するスコットは、まだワイルダーが球技に夢中だった2000年11月にプロデビューした33歳で、ここまで38戦36勝(13KO)1敗1分という高い勝率を誇る。KOの少なさが気にはなるが、昨年2月には現世界ランカーのビャチェスラフ・グラツコフ(ウクライナ)と引き分けるなど、地力のあるところをみせている。唯一の黒星は昨年7月、世界挑戦の経験もあるディレック・チゾラ(イギリス)に喫したものだが、今年1月には2回TKOで再起を飾っている。興味深いのはワイルダーが4ラウンドまでしか戦ったことがないのに対し、スコットは5ラウンド以上を25度も経験している点だ。このあたりにスコットは勝機を見出したいところであろう。「ワイルダーとは友人だが、これを踏み台にして私が世界上位に進出する」と意気込んでいる。

9対2のオッズが示すように、攻撃力で大きく勝るワイルダー有利は揺るがないところだ。スコットが様子を見ているうちに破壊力のある右が命中、早期決着の可能性も十分にある。しかし、勝負が長引いた場合のワイルダーも見てみたい気がする。世界挑戦を前に、どんなかたちでテストをクリアするのだろうか。

 


Written by ボクシングライター原功



ウラディミール・クリチコ

ウラディミール・クリチコ

ヘビー級トップ戦線の現状

WBA:ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)
WBC:バーメイン・スティバーン(カナダ)
IBF :ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)
WBO:ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)

昨年12月、WBC王座を5年にわたって保持していた42歳のビタリ・クリチコ(ウクライナ)が事実上の引退を表明。これにともない空位になったWBC王座はバーメイン・スティバーン(カナダ)とクリス・アレオーラ(アメリカ)で争われ、2度のダウンを奪ったスティバーンが6回TKO勝ちでビタリの後継者の座に収まった。この試合は09年9月のビタリ・クリチコ対アレオーラ戦以来、実に4年半ぶりのアメリカ国内で行われた世界ヘビー級タイトルマッチだった。北米大陸に世界ヘビー級王座が戻ってきたのも、07年にシャノン・ブリッグス(アメリカ)がWBO王座を明け渡してから7年ぶりのことである。

こうした現象を引き起こしてきた当事者がクリチコ兄弟だった。特に弟のウラディミールは06年から8年以上の在位を誇り、この間にWBO王座とWBA王座もコレクションに加えている。その長期政権にピリオドを打つ選手が現れるのか、それは誰なのか、といった点がヘビー級シーンの最大の焦点といってもいいだろう。今回のWBOの指名挑戦者アレックス・リーパイ(オーストラリア)にも可能性はあるわけだが、現時点で最も面白い存在はデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)であろう。30戦すべてを4ラウンド以内で終わらせてきた超ド級のスラッガーには未知という楽しみやスケール感も加わり、注目度は試合ごとに増している。来年にはクリチコ対ワイルダーというカードが実現するかもしれない。

このほかIBFの指名挑戦権を持つクブラト・プレフ(ブルガリア)にも注目したい。


  • みどころ

上昇気流の王者 VS チェコのヒーロー
クィリンのスピードに大きなアドバンテージ

クィリンは12年10月にハッサン・ヌダム・ヌジカム(フランス)から王座を奪い、フェルナンド・ゲレロ(ドミニカ共和国)、ガブリエル・ロサド(アメリカ)を退けて2度の防衛を果たしている。ヌジカム戦では6度、ゲレロ戦では4度、ロサド戦でも1度のダウンを奪っており、世界戦3試合で計11度のダウンを奪うという派手な戦いぶりである。しかし、クィリンの本来の持ち味はスピードだ。12年ロンドン五輪金メダリストの村田諒太をして「あのスピードは厄介」といわしめるほどだ。30戦全勝(22KO)の戦績が示すとおりパンチ力もある。

挑戦者のコネチニーは2000年シドニー五輪に出場するなど257戦230勝25敗2分のアマチュア戦績を残して01年にプロ転向。これまでEBU-EU欧州王座やIBF、WBOインターコンチネンタル王座、チェコのナショナル王座を獲得している。12年4月にはWBOのS・ウェルター級暫定王座も獲得した実績を持っている。今回、クィリンに勝てば2階級制覇ということになる。戦績は54戦50勝(23KO)4敗。コネチニーは「クィリンは私のような経験値の高い選手と対戦したことがない」と王者を挑発しているが、予想となると充実のクィリン有利は動かしがたい。持ち味のスピードで挑戦者を翻弄する可能性が高い。

 


Written by ボクシングライター原功



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