3階級制覇王者ソト、3度目の防衛戦!
WBC世界ライト級タイトルマッチ

WBC世界ライト級チャンピオン
ウンベルト・ソト
(メキシコ)

WBC世界ライト級6位
ウルバノ・アンティロン
(メキシコ)
3階級制覇王者ソトのV3戦 挑戦者は技巧派パンチャーのアンティロン
フェザー級、S・フェザー級を制し、そして現在はWBCのライト級王座に君臨するソトの3度目の防衛戦。挑戦者は29戦28勝(20KO)1敗の技巧派パンチャー、アンティロン。駆け引きを含めた高レベルの攻防が期待できるカードだ。
「ソリタ」(狐)という異名を持つソトは63戦53勝(32KO)7敗2分1無効試合の戦績を残している30歳。左ジャブを突きながらボクシングを組み立てる攻防兼備の強打者だ。右ストレートは長短の使い分けが巧みで、死角から突き上げるアッパーも主武器のひとつといえる。もともと派手なタイプではないが、総合力は高いものがある。
この2年で9連勝を収めているが、最近の4試合はいずれも判定勝負になっており、その点に若干の物足りなさは残る。近い将来、4階級制覇を狙うためにスターがひしめくS・ライト級に参戦することになると思われるだけに、このあたりで存在感を示しておく必要があるだろう。
挑戦者のアンティロンはキャリアの初期と中期に東京で試合をした経験を持っている。デビュー2戦目の01年2月、畑山隆則対リック吉村の世界戦の前座で1回KO勝ち。ホルへ・リナレス(帝拳)のスパーリング・パートナーとして来日した07年7月にはトーンチャイ・ポー・プラトンポン(タイ)に2回TKO勝ち。いずれも強烈な印象を残したものだった。
08年にはNABFおよびNABO北米S・フェザー級王座を獲得。余勢を駆って09年7月にはミゲール・アコスタ(ベネズエラ)とのWBA世界ライト級暫定王座決定戦に臨んだが、アッパーを浴びて9回KO負けに退いている。再起後は2連勝と復調、満を持して2度目の世界挑戦に臨むことになった。総合的なまとまりのある技巧派の強打者で、伸びのある右ストレートに加え左のボディ打ちが巧みだ。
ともに攻防兼備の万能型だけに、一方が大崩れする可能性は低いだろう。双方が虚々実々の駆け引きを交えながら相手の隙を探すという展開になりそうだ。カギになるパンチはソトのアッパー、アンティロンの右ストレートか。賭け率は29対10でソト有利と出ている。
Written by ボクシングライター原功

ファン・マヌエル・マルケス
ライト級トップ戦線の現状
WBAスーパー:ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
WBA:ミゲール・アコスタ(ベネズエラ)
WBC:ウンベルト・ソト(メキシコ)
IBF:ミゲール・バスケス(メキシコ)
WBO:ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
マルケス、ソトというふたりの3階級制覇者がトップに君臨している。知名度や実績では37歳のマルケスが勝るが、7歳若いソトにもマルケスの域に迫る可能性はある。
日本からベルトを持ち去ったパウレス・モーゼス(ナミビア)を倒してWBAの正王者になったアコスタは32歳の長身パンチャー。IBF王者バスケスは金智訓(韓国)との王座決定戦で圧勝した技術力に長けた選手。まだ評価を定める段階には至っていない。
ランカーでは、2月にアコスタに挑戦が決まっているブランドン・リオス(アメリカ)の評判が良い。パンチが切れるタイプではないが、積極的にアプローチして攻め落とすスタイルは人気がある。3階級制覇を狙うホルへ・リナレス(帝拳)、ロバート・ゲレロ(アメリカ)も王者を脅かす存在だ。
元WBC暫定王者アントニオ・デマルコ(メキシコ)、元WBO世界S・フェザー級王者ホルへ・バリオス(アルゼンチン)からも目が離せない。
WBC米大陸バンタム級王座決定戦

元2階級制覇チャンピオン
ノニト・ドネア
(フィリピン)

元WBA世界バンタム級チャンピオン
ウラディミール・シドレンコ
(ウクライナ)
フィリピンの閃光 VS ウクライナの小型発電所 ドネアのスピードはシドレンコのガードを割れるか?
フライ級とS・フライ級を制した「フィリピーノ・フラッシュ」(フィリピンの閃光)、ドネアが3階級制覇に向けたテスト・マッチでシドレンコと拳を交える。シドレンコの堅牢なガードを割って強打を叩き込むことができるのか?
ドネアは全米選手権で優勝するなどアマチュアで76戦68勝8敗のレコードを残して01年2月にプロデビュー。2戦目で判定負けを喫した以外は順調に白星を重ね、ここまで25戦24勝(16KO)1敗の戦績を残している。特筆すべきは最近3年間の活躍ぶりである。28戦全勝だったビック・ダルチニャン(アルメニア)を5回TKOに破ってIBF世界フライ級タイトルを奪い、3連続KO防衛。09年8月にはWBA暫定世界S・フライ級タイトルを獲得。このベルトはエルナン・マルケス(メキシコ)を豪快に屠って防衛に成功している。スピードとパンチの切れを主武器にする強打のスイッチ・ヒッターで、そのボクシングは天性の閃きに溢れている。
対するシドレンコはシドニー・オリンピックでフライ級銅メダルを獲得するなど、310戦290勝20敗のアマチュア戦績を誇る小柄な技巧派ボクサー。05年2月にWBA世界バンタム級タイトルを獲得し、池原信遂(大阪帝拳)を退けるなど3年間に6度防衛を重ねた実績を持つ。無冠に戻ってからは試合数が減ったが、10年8月に戦線復帰を果たしている。「ウクライナの小型発電所」と呼ばれる防御の堅い選手だ。
スピード、パンチの切れ、フットワークといった個々の能力に加え勢いでも勝るドネアの優位性は動かせない。最大の興味はシドレンコの強固なガードを割れるかどうか、しぶとい元王者を倒せるかどうかという点に絞られよう。
WBC・WBO世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)への挑戦プランもあるドネアのリング・パフォーマンスに注目したい。
Written by ボクシングライター原功
