メキシコ歴戦の雄マルケス、暫定王者カチディスと激突!
WBA・WBO世界ライト級タイトルマッチ

WBA・WBO世界ライト級チャンピオン
ファン・マヌエル・マルケス
(メキシコ)

WBO暫定世界ライト級チャンピオン
マイケル・カチディス
(オーストラリア)
万能型の強打者 VS 突貫ファイター 壮絶な打撃戦は必至
世界的に層の厚いライト級の頂点に君臨するチャンピオン同士の対決。3階級制覇の37歳、マルケスが万能型の強打者ならば、「ロッキー」の異名を持つ30歳、カチディスは攻撃偏重の突貫ファイター。壮絶な打撃戦とKO決着が約束されたカードといえる。
WBAの“スーパー王座”とWBO王座を保持するマルケスは、過去に14度の世界戦(10勝4KO3敗1分)を経験しているベテラン選手。この10年、フェザー級からウェルター級までの幅広い階級で常にトップグループを走ってきた実力者だ。37歳になったが顕著な衰えはみられず、試合ぶりは溌剌としている。「ディナミタ」(ダイナマイト)の異名を持つ無類の強打者だが、距離をとったボクシングもインファイトもこなす万能型で、スタミナも十分。近い将来、過去2戦して1敗1分のマニー・パッキャオ(フィリピン=現WBO世界ウェルター級・WBC世界S・ウェルター級王者)との決着戦を希望しているだけに、ここで挫折するわけにはいかない。
「彼(カチディス)の試合は何度か見たことがあるが、常に前に出て戦う勇敢な選手だと思う。下がらない戦闘スタイルを持つので試合はエキサイティングだ。今回の試合は私にとっても彼にとってもタフなものになるだろう。4階級制覇を成し遂げるためにも、パッキャオとの3度目の対決のためにも大事な試合」と話している。
一方、WBOの暫定王者カチディスは30歳。シドニー・オリンピックに出場するなど81戦75勝6敗のアマチュア戦績を残して01年12月にプロ転向。07年と09年にWBOのライト級暫定王座を獲得している。現在保持するタイトルはビセンテ・エスコベド(アメリカ)を下して手に入れたもので、イギリスの無敗ホープ、ケビン・ミッチェルを3回TKOで一蹴して防衛も果たしている。
こちらも7割を超すKO率を誇る強打者だが、パンチ力よりも連打力を身上とする突貫型ファイターだ。被弾も少なくなく、肉を切らせて骨を断つタイプといえる。その分、試合は常にエキサイティングで、アメリカのリングでもなかなかの人気を誇る。
切れ味とタイミング抜群のカウンターを持つマルケスに対し、カチディスが躊躇することなく距離を潰して入っていければ面白い試合になるだろう。しかし、マルケスの多彩なブローに動きを止められるようだと、試合は一方的なものになる可能性もある。オッズは13対4でマルケス有利と出ている。
Written by ボクシングライター原功

ホルへ・リナレス
ライト級トップ戦線の現状
WBAスーパー:ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
WBA:ミゲール・アコスタ(ベネズエラ)
WBC:ウンベルト・ソト(メキシコ)
IBF:ミゲール・バスケス(メキシコ)
WBO:ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
WBO暫定:マイケル・カチディス(オーストラリア)
実績面と総合力でマルケスがトップを行く。同じメキシコの3階級制覇者ソトが追い、カチディスとアコスタ、バスケスが第3グループを形成といったところか。
ベテラン勢が奮闘する一方、ランカーには比較的若い新鮮な顔ぶれが揃ってきた。3階級制覇を狙うロバート・ゲレロ(アメリカ)とホルへ・リナレス(帝拳)、無敗のブランドン・リオス(アメリカ)、さらに元WBC暫定王者のアントニオ・デマルコ(メキシコ)、そして2月にデマルコとWBC挑戦者決定戦で拳を交えるレイジェス・サンチェス(メキシコ)などなど。
2011年はこうした新旧のスター選手同士の対決が増えそうだ。
WBC世界ウェルター級タイトルマッチ

WBC世界ウェルター級チャンピオン
アンドレ・ベルト
(アメリカ)

WBC世界ウェルター級10位
フレディ・エルナンデス
(メキシコ)
26戦全勝20KOの王者 VS メキシコの伏兵 ベルトの強打が炸裂か
ベルトは08年6月の王座決定戦でミゲール・ロドリゲス(メキシコ)を7回TKOに下して戴冠後、4度の防衛を重ねてきたが、3試合は相手に判定まで粘られている。スティーブ・フォーブス(アメリカ)、ルイス・コラーゾ(アメリカ)、ファン・ウランゴ(コロンビア)というタフガイ、曲者が相手ではあったが、ベルトの期待値の高さを考えると物足りなさが残ったのも事実だ。
そんななか10年4月、元WBO王者カルロス・キンタナ(プエルトリコ)を8回TKOに屠り、今回のV5戦を迎えることとなった。
「エルナンデスは強敵だが、近い将来に訪れるはずのメガ・ファイトに向けてアピールしておきたい」と、今回の試合の位置づけを話している。兄のクリーブランド・ベルトからコンディションニングの指導を受け、トニー・モーガン・トレーナーから技術面の指導を受けるという体制を確立し、次のステップに向けて死角は見当たらない。
WBC10位に名を連ねるエルナンデスは世界的知名度の点ではもうひとつだが、強豪との対戦経験は豊富だ。特に10年にはデマーカス・コーリー(アメリカ)、マイク・アンチョンド(アメリカ)といった元世界王者にTKO勝ちを収めており、自信を深めてリングに向かうはずだ。スピードやパワーでは相応レベルのものを持っている。それ以上にベルトが警戒すべきは12連勝(6KO)の勢いだろう。「この日が来るのを9年も待っていた。ベルトはパウンド・フォー・パウンドの10傑に入る猛者だが、勝つためにベストを尽くす」と、高いモチベーションを抱いている。身長178センチ、リーチ188センチという体格もベルトにとっては厄介かもしれない。
スピード、パワー、経験といった点で勝るベルト有利は不動だ。キンタナ戦でKO(TKO)の感触を思い出したベルトの強打が炸裂しそうだ。
Written by ボクシングライター原功
S・フェザー級10回戦

WBA世界S・バンタム級チャンピオン
セレスティーノ・カバジェロ
(パナマ)

WBA世界S・フェザー級3位
ジェイソン・リッツォー
(アメリカ)
V10王者カバジェロが2階級アップ
リッツォーと長身痩躯同士の強打者対決
WBA世界S・バンタム級王座を5年間に10度防衛しているカバジェロが、一気に2階級上げてS・フェザー級に進出。WBA3位、WBC6位、IBF5位にランクされるリッツォーと拳を交える。
以前から減量苦が伝えられていたカバジェロだが、2階級アップは当然のことながらリスクも伴う。180センチの長身、185センチの恵まれたリーチが生かせるか、鞭のような鋭いパンチはS・フェザー級でも通用するのか、自身の耐久力はどうか――様々な面でテストされることになる。
そういった意味ではリッツォーは最適な相手といえるかもしれない。身長176センチ、リーチ177センチ。アマ約180戦、プロでは29戦27勝(21KO)2敗を誇り、08年にはロバート・ゲレロ(アメリカ)のIBF世界フェザー級王座に挑戦して8回KO負けを喫しているように、決して打たれ強いタイプではない。3団体で上位に名を連ねていることも、カバジェロにとっては魅力的に見えることだろう。
「フェザー級では誰も私との対戦を希望しない。だから私はリッツォーのような優れたS・フェザー級選手と対戦することを選んだ。みんなが目を見張るようなパフォーマンスを見せるよ」と、カバジェロは自信満々だ。オッズも15対1、あるいは13対1で後押ししている。
「カバジェロが偉大なチャンピオンであることは認めるが、2階級上げるとなるとどうかな? 彼は長身だが、私も長身だ。これまでのようにはいかないと思うよ」と、こちらも迎撃に自信を見せている。
長身痩躯のパンチャー型同士ということで、序盤から目の離せない緊迫した展開が予想される。
Written by ボクシングライター原功
