技巧派カルデロン vs 強打者セグラ、ライト・フライ級王座統一戦!
WBA・WBO世界L・フライ級王座統一戦

WBO世界L・フライ級チャンピオン
イバン・カルデロン
(プエルトリコ)

WBA世界L・フライ級チャンピオン
ジョバンニ・セグラ
(メキシコ)
究極の技巧派 VS 驚異のスラッガー 好対照のスタイルを持つ王者同士の対決
この両者、とことん対照的である。まずWBOチャンピオンのカルデロンがサウスポーの技巧派であるのに対し、WBAチャンピオンのセグラは右構えの好戦的な強打者とくる。年齢もカルデロンの35歳に対しセグラは28歳。アマチュア経験もシドニー・オリンピック出場のカルデロンが130戦(110勝20敗)なのに対し、セグラはわずか12戦(40戦説もある)。体格面も大きく異なる。カルデロンが身長152センチ、リーチ160センチと小柄なのに比して、セグラは身長こそ163センチだがリーチは175センチもある。
プエルトリコとメキシコはボクシングにおいては対抗意識が強いことでも知られている。ライバル・チャンピオンの対決は熾烈な戦いになりそうだ。
カルデロンは01年2月にプロ転向後、ここまで35戦34勝(6KO)1分と不敗レコードを誇る。KO率は17パーセントと低いが、裏を返せばそれだけパンチに頼らずに勝ち進んできたということになる。技術力の高さの証左ともいえよう。
ミニマム級で12度、L・フライ級でも7度、計19度も世界戦のリングに上がっており、経験値は高いものがある。サウスポーからスピーディーなパンチを小気味よく繰り出してペースを掌握し、巧みなディフェンス技術で相手の攻撃を無効にしてしまう。その戦い方はマジックを見ているようでもある。
一方のセグラはメキシコの貧民屈でケンカ少年として育ったが、20歳のときに大志を抱いて両親が住んでいたアメリカ・ロサンゼルスに移住。ここで20歳のときにボクシングを始めたという。わずか1年程度のアマチュア経験後にプロ転向を果たし、強打を武器に勝利を重ねた。2年前、セサール・カンチラ(コロンビア)とのWBA世界L・フライ級暫定王座決定戦では前半で飛ばしすぎてガス欠に陥り判定負け。これが過去唯一の敗北である。
昨年3月、カンチラに4回TKOで雪辱して暫定王座獲得を果たし、のちに正王者に昇格している。26戦24勝(20KO)1敗1分の戦績が示すとおりの強打者で、ときおり左にスイッチしながら相手に迫り左右のフックで攻め落としてしまう強引さが持ち味だ。
これほど好対照の組み合わせも珍しい。したがってサウスポーのカルデロンが技術で相手のパワーを封じるか、それともセグラが強打で相手のテクニックを潰すか、予想は真っ二つに割れる。オッズ(賭け率)は5対2でWBOチャンピオン(カルデロン)有利と出ているが、これは地元開催の利もあってのことと思われる。
序盤にセグラが主導権を握り、カルデロンにプレッシャーを与える展開に持ち込むと面白くなりそうだ。
Written by ボクシングライター原功

オマール・ニーニョ
L・フライ級トップ戦線の現状
WBA:ジョバンニ・セグラ(メキシコ)
WBA暫定:ファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)
WBC:オマール・ニーニョ(メキシコ)
IBF:ルイス・ラサルテ(アルゼンチン)
WBO:イバン・カルデロン(プエルトリコ)
WBO暫定:ラモン・ガルシア(メキシコ)
技巧と強打を併せ持つニーニョも地力があるが、このメンバーのなかではやはりセグラとカルデロンが目立つ存在といえる。ラサルテは39歳と年齢が高く、ガルシアはまだ経験が浅い。10月24日に両国国技館で行われる「WOW FES!」で、1階級下のミニマム級WBA王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の挑戦を受けるレベコは攻防のバランスがとれた27歳。ゴンサレスとの一戦が正念場になりそうだ。
ランカーでは井岡一翔、宮崎亮の井岡ジムコンビ、そしてWBO13位に名を連ねるマーロン・タパレス(フィリピン)に注目したい。このタパレスはまだ17歳。どこまで成長するのか興味深く見守りたい。
WBA世界バンタム級タイトルマッチ

WBA世界バンタム級チャンピオン
アンセルモ・モレノ
(パナマ)

前WBA暫定世界バンタム級チャンピオン
ネオマール・セルメニョ
(ベネズエラ)
パナマの「幽霊」 VS ベネズエラのエリート 因縁のリマッチは再び接戦か
この両者は今年3月、セルメニョの地元ベネズエラで拳を交え、正規チャンピオンのモレノが暫定チャンピオンのセルメニョに僅差の判定勝ちを収め、WBA王座をひとつにまとめている。しかし、判定に対してはセルメニョ陣営のみならず一般観衆、テレビ視聴者からも疑問の声が挙がるほどの接戦だった。ダイレクト・リマッチの裏にはそうした経緯がある。
モレノが173センチ、セルメニョも168センチと両者とも細身のテクニシャン。戦績は25歳のモレノが31戦29勝(10KO)1敗1分、30歳のセルメニョが20戦19勝(11KO)1敗。この数字からも、ふたりが高度な技術をベースに戦ってきたことがうかがい知れよう。さらに加えるならば、モレノはフランスやドイツでも防衛戦経験があり、セルメニョは2000年のシドニー・オリンピックに出場した実績を持っている。ふたりとも経験値の面でも甲乙つけがたいものがある。
一度12ラウンドをフルに戦っており、ともに手の内を知り尽くしているだけに今回も接戦が予想される。前回の戦いをベースに、どちらがどれだけ上積みをするかによって微妙なバランスが崩れるはずだ。
Written by ボクシングライター原功
