ホプキンス vs ロイ・ジョーンズ、ベテラン対決!
L・ヘビー級12回戦

元4団体統一世界ミドル級チャンピオン
バーナード・ホプキンス
(アメリカ)

元4階級制覇チャンピオン
ロイ・ジョーンズ
(アメリカ)
元V20王者 vs 元4階級制覇王者 17年ぶりの宿敵因縁対決
THE RIVALS――両者はイベントのキャッチ・コピーそのもののライバル関係にある。しかも昨日や今日のライバルではない。17年来の因縁を引きずる因縁の間柄なのである。
93年5月22日、アメリカ・ワシントンDC。両者は、ジェームス・トニー(アメリカ)が返上したIBFの世界ミドル級王座決定戦に出場。拮抗した内容のまま試合は12ラウンドを終了し、判定は3対0、ジョーンズの手が挙がった。三者とも116対112という採点だったが、どちらの手が挙がってもおかしくない内容だった。
ホプキンスは早期再戦を求めたが、以後、両者は交わることなくそれぞれリング活動を続けることとなった。
ホプキンスは95年、ジョーンズの放棄したIBF世界ミドル級王座に就くと、のちにWBC、WBA、さらにWBOのタイトルも吸収。4団体の統一王者として頂点に君臨し続けた。その年数はIBF王座獲得時から10年、通算の防衛回数は20を数えた。05年にジャーメイン・テイラー(アメリカ)に惜敗して無冠となったが、以後も大物との対戦で存在感を示している。
一方のジョーンズは94年にS・ミドル級、96年にL・ヘビー級、さらに03年にはヘビー級も制して4階級制覇を達成した。その後は再びL・ヘビー級に戻り王座に君臨したが、04年5月にアントニオ・ターバー(アメリカ)に2回TKO負け。以後の6年間は勝ちと負けを繰り返している。昨年はNABO北米王座を手にするなど復調の兆しを見せたが、12月にダニー・グリーン(オーストラリア)に初回TKO負け。これが再起戦でもある。
こうした両者の近況が反映され、賭け率は5対1でホプキンス有利と出ている。
ホプキンス45歳、ジョーンズ41歳。まずは両者が90年代、2000年代とも第一線で活躍している事実そのものが驚異的なことといえる。17年の年月を経て再戦が実現したことも驚きである。特にホプキンスの執念には尋常ならざるものを感じる。
熟成したワインにも例えられる熟年対決だが、ホプキンス優位は動かせない。ジョーンズが耐久力や瞬発力の面で問題を抱えているのに対し、45歳の元V20王者は体力面の衰えこそ隠せないが、狡猾さは増しているとさえいえる。
ジョーンズのスピードとパンチ力はいまなお侮れないが、ホプキンスの技術をもってすればこれらを封じることは可能であろう。両者の意地も見ものだ。
Written by ボクシングライター原功

チャド・ドーソン
L・ヘビー級トップ戦線の現状
WBA:ベイブト・シュメノフ(カザフスタン)
WBC:ジャン・パスカル(カナダ)
WBC暫定:チャド・ドーソン(アメリカ)
IBF:タボリス・クラウド(アメリカ)
WBO:ユルゲン・ブレーマー(ドイツ)
シュメノフ、クラウド、ブレーマーと、世界的知名度はもうひとつというチャンピオンが揃うなか、WBC覇者パスカル、暫定王者ドーソンの存在が光る。実力的にも実績面でも、両者がホプキンス、ジョーンズとともにクラスの牽引者といえよう。パスカルとドーソンは8月、WBCの統一戦で拳を交えることが決定している。
今回のホプキンス対ジョーンズはノンタイトル12回戦として行われる。タイトルの行方同様、あるいはそれ以上にトップ戦線の今後を占う上で気になるカードといえるかもしれない。
WBC世界ウェルター級タイトルマッチ

WBC世界ウェルター級チャンピオン
アンドレ・ベルト
(アメリカ)

元WBO世界ウェルター級チャンピオン
カルロス・キンタナ
(プエルトリコ)
風雲急のウェルター級シーン ベルトは存在感を示せるか
マニー・パッキャオ(フィリピン)がジョシュア・クロッティ(ガーナ/アメリカ)を下し、フロイド・メイウェザー(アメリカ)もシェーン・モズリー(アメリカ)にワンサイドの判定勝ち。いよいよ5階級制覇者同士の最終決戦のムードが高まるウェルター級トップ戦線。そのなかで虎視眈々と割り込みを狙って牙を研いでいるのがベルトだ。
アテネ・オリンピック出場後にプロ転向してから5年半。ここまで25戦全勝(19KO)の快進撃を続けている。高い期待度に反してパッキャオやメイウェザー、モズリーらと肩を並べる存在になりきっていないのは、最近の3連続判定防衛がマイナスに作用しているからだろう。スティーブ・フォーブス(アメリカ)、ルイス・コラーゾ(アメリカ)、ファン・ウランゴ(コロンビア)とタフな実力者が相手だったが、ベルトの潜在能力と可能性を考えると彼らを一蹴してしかるべきと見られていたのだ。裏を返せば、ベルトがそれほどの期待を集める逸材であることの証左ともいえる。
ベルトは1月30日に予定されたモズリー戦を両親の故郷ハイチの大地震のためにキャンセル。そのため、この試合が09年5月以来の実戦となる。
「たくさんの人が私のコンディションを心配してくれるが、兄のクリーブランドがストレングス&コンディショニングのコーチを務めてくれ、トニー・モーガン・トレーナーが技術面をチェックしてくれるので問題ない。ジムワークのほか陸上トレーニングや水泳、自転車走なども採り入れて体力強化に努めたのであらゆる面で完璧に仕上がった」(ベルト)
心理面、体調面とも問題はなさそうだ。
今回の挑戦者キンタナは、現在および今後のベルトの可能性を探るうえで最適の相手といえるだろう。アマ50戦(46勝4敗)、プロ29戦(27勝21KO2敗)の33歳。08年2月にはポール・ウィリアムス(アメリカ)を食ってWBO世界ウェルター級タイトルを獲得した実績を持つサウスポーの強打者だ。
FIGHTING FOR HAITIというイベント・コピーがつけられた試合。ベルトが元WBO王者をキャンバスに沈めるシーンが見られるか?
Written by ボクシングライター原功
