強打の王者マイダナ、無敗の挑戦者カージョを迎え撃つ!
WBA暫定世界S・ライト級タイトルマッチ

WBA暫定世界S・ライト級チャンピオン
マルコス・マイダナ
(アルゼンチン)

WBA世界S・ライト級2位
ビクトル・マヌエル・カージョ
(ドミニカ共和国)
南米の怪物 VS カリブの俊才 マイダナの豪打か、カージョの剃刀パンチか
「カージョのことは試合テープを何本か見てチェックした。テクニカルでスピードもある優れた選手という印象だ。私のパワーをもってしても倒すことは難しいかもしれない。だからKOは狙わずに判定でも勝てるように考えて戦うつもりだ」(マイダナ)
28戦27勝(26KO)1敗、KO率92パーセントの典型的な猛ファイターにしては遠慮がちな、かつ慎重なコメントといえる。マイダナが本心からそう思っているのか、あるいは単なる社交辞令なのか、答えはリング上にあるはずだ。
マイダナは15歳でボクシングを始め、アルゼンチンのアマチュア国内タイトルを獲得したほか世界選手権にも出場した実績を持つ。
6年前にプロ転向後はバッタバッタと倒しまくり、その数は27に伸びている。特に序盤KOが多く、22度までが3ラウンド以内の決着である。パワーとタフネスを前面に押し出した豪快なファイターで、打撃戦を好む。
3年ほど前にドイツのウニベルスムと契約を交わしたため主戦場を欧州に移したが、現在はオスカー・デラ・ホーヤ率いるゴールデン・ボーイ・プロモーションズとも近い関係にある。
「マイダナが尊敬に値するファイターであることは十分に知っている。たしかに彼はパワフルなハードパンチャーだが、私のようなタイプとは戦ったことがないだろう。私自身もタフな試合になることは覚悟しているが、自分の力で世界への扉をこじ開けてみせるよ」
25戦24勝(16KO)1無効試合。無敗の25歳は王座奪取に自信をみせている。
カージョは地域タイトルを獲得後、昨夏に元世界王者フリオ・ディアス(メキシコ)を破ってトップ戦線に浮上してきた。高い潜在能力を持つ逸材で、180センチの長身から繰り出すパンチはシャープだ。
マイダナのパワーとタフネスか、カージョのスピードと切れのあるパンチか。オッズは6対1でチャンピオン有利と出ている。
Written by ボクシングライター原功

アミール・カーン
S・ライト級トップ戦線の現状
WBA:アミール・カーン(イギリス)
WBA暫定:マルコス・マイダナ(アルゼンチン)
WBC:デボン・アレキサンダー(アメリカ)
IBF:デボン・アレキサンダー(アメリカ)
WBO:ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)
カーン=23歳、23戦22勝(16KO)1敗、マイダナ=26歳、28戦27勝(26KO)1敗、アレキサンダー=23歳、20戦全勝(13KO)、ブラッドリー=26歳、26戦25勝(11KO)1無効試合。
若くてタレント性、将来性のあるチャンピオンが揃っている。4人ともタイプは異なるが、実績、経験値、総合力は横一線といえる。
これをビクター・オルティス(アメリカ)、ネート・キャンベル(アメリカ)、ビクトル・マヌエル・カージョ、ポール・マリナッジ(アメリカ)らが追う。元王者リッキー・ハットン(イギリス)の再起も待たれるところだ。
IBF世界ライト級王座決定戦

元2階級制覇チャンピオン
ホアン・グスマン
(ドミニカ共和国)

IBF世界ライト級3位
アリ・フネカ
(南アフリカ)
リトル・タイソン VS 南アの実力者 初戦引き分け後の再戦
この1年、IBFのライト級王座は空位のままである。昨年2月、チャンピオンだったネート・キャンベル(アメリカ)がフネカとの防衛戦を前に体重超過。そのため王座を剥奪された。試合は、フネカが勝てば新チャンピオンという変則スタイルで挙行されたが、ダウンを喫して判定負け。秋にはフネカとグスマンの間で王座決定戦が行われたが、フネカ優勢の声が多かったにも拘わらず結果は引き分け。今回の再戦、再度の王座決定戦はこうした経緯があって行われるわけだ。
グスマンはその風貌から「リトル・タイソン」といわれるが、最近の戦いぶりは比較的おとなしい。6年もKO勝ちから遠ざかっているだけに、以前のような荒々しさを取り戻してほしいと願うファンは多いはずだ。ドミニカ共和国初の3階級制覇を成し遂げるためには奮起が必要だろう。
不運続きのフネカは身長185センチ、リーチ183センチとミドル級並みの体躯を持った31歳。懐の深いボクサーファイター型で、上から被せるように打ち込むワンツーが主武器だ。
フネカがジャブと右ストレートを効率的よくつかってグスマンの接近を阻めれば“3度目の正直"で王座獲得が見えてくるはず。インサイドに入ってパンチをまとめたいグスマンは、ステップインのスピードがカギになりそうだ
Written by ボクシングライター原功
S・ミドル級8回戦

WBA・WBO世界ミドル級6位
ダニエル・ジェイコブス
(アメリカ)

コロンビア・ミドル級
ホセ・ミゲール・ロドリゲス
(コロンビア)
「金の卵」ジェイコブスに注目 KOで19連勝狙う
ジェイコブスはマイク・タイソンやリディック・ボウ(いずれも元世界ヘビー級王者)などが育ったニューヨーク州ブルックリンの出身。祖父母に育てられ、13歳でボクシングを始めた。アマチュア戦績は144戦137勝7敗。何度も全米大会を制するなど実績は申し分ない。
07年12月にプロ転向後は18戦全勝(15KO)と破竹の勢いにある。「ヘビー級のパンチ力とライト級のスピードを併せ持ち、かつベテランの巧さを持つ23歳のミドル級」と、リングサイドの評価も極めて高い。WBAミドル級6位、WBC8位、WBO6位に名を連ねている。
対するロドリゲスは24戦20勝(12KO)4敗の34歳。ベネズエラを主戦場とするコロンビア国籍の強打者だ。
ロドリゲスの強打は侮れないが、ここは新進気鋭ジェイコブスのリング・パフォーマンスに注目して見てみたいところだ。
Written by ボクシングライター原功
