26連続KO男“ダイナマイト”バレロ、王座統一戦に臨む!
WBC世界ライト級王座統一戦

WBC世界ライト級チャンピオン
エドウィン・バレロ
(ベネズエラ)

WBC暫定世界ライト級チャンピオン
アントニオ・デマルコ
(メキシコ)
26連続KOのダイナマイト VS 急成長の新星 今回もバレロの強打炸裂か
バレロは02年7月のプロデビュー戦から26連続KO勝ちをマーク。70年代を席巻した3階級制覇者ウイルフレド・ゴメス(プエルトリコ)の持つ、世界王者経験者の連続KO記録「32」に迫る勢いだ。「近い将来の目標はマニー・パッキャオを倒すこと」と公言しているバレロにとっては、暫定王者を蹴散らして名乗りを挙げたいところだ。
一方、元世界2階級制覇者ヒバロ・ペレスの義理の息子でもあるデマルコは、急成長中の新星といえる。昨年はアンジス・アジャホ(ベナン)との挑戦者決定戦を制し、10月には元WBA王者ホセ・アルファロ(ニカラグア)を10回TKOに下して暫定王座を獲得。大きな勲章を手に入れて自信を増しているはずだ。
ともにサウスポーだが、戦闘スタイルは異なる。
バレロは「ダイナマイト」の異名そのままの攻撃型ファイターで、踏み込みのスピードも十分。左ストレートも右フックも破壊力は抜群で、パワーは2階級も3階級も上のクラスの選手と同等とみていいほどだ。加えて勝負勘も卓抜したものがある。不安を探すとすれば、12月の初防衛戦で顔面に裂傷を負っていることぐらいだろう。
デマルコは178センチの長身と180センチのリーチを生かしたボクサーファイター型で、攻防のバランスがとれている。25戦23勝(17KO)1敗1分と7割近いKO率を誇るが、パワーで捻じ伏せるのではなく、じわじわと自分のペースに引き込んでから仕留めるタイプといえる。
チャンピオン同士の一戦だが、賭け率は5対1でバレロ有利と出ている。現在のバレロはそれほどに高い評価と期待を集めているのだ。
まずは1ラウンド、バレロの荒々しい攻撃にデマルコがどう対処するかに注目したい。デマルコが対応に追われてズルズルと下がるようだと、バレロの27連続KOは確定的なものになるだろう。「100パーセント満足のいくトレーニングができた。試合では私の身長とリーチがアドバンテージになるはずだ」
24歳の暫定チャンピオンは自信を持ってそう言うのだが……。
Written by ボクシングライター原功

ファン・マヌエル・マルケス
ライト級トップ戦線の現状
WBAスーパー:ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
WBA正規:パウルス・モーゼス(ナミビア)
WBA暫定:ミゲール・アコスタ(ベネズエラ)
WBC正規:エドウィン・バレロ(ベネズエラ)
WBC暫定:アントニオ・デマルコ(メキシコ)
IBF:空位
WBO正規:ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
WBO暫定:マイケル・カチディス(オーストラリア)
実績と知名度ではマルケスがトップを行くが、昨年9月にフロイド・メイウェザー(アメリカ)に敗れてからリングに上がっていない。S・ライト級あるいはウェルター級でビッグマッチを目論んでおり、このクラスに留まる可能性は低そうだ。
となるとバレロの存在が一際浮かび上がってくる。もっとも、このバレロも近い将来には上のクラスに目標を定めることは確定的だ。
ランカー陣では、IBF王座決定戦で再戦が決まっているホアン・グスマン(ドミニカ共和国)とアリ・フネカ(南アフリカ)、ピーターソン兄弟の弟アンソニー(アメリカ)、英国の新鋭ケビン・ミッチェルらがトップグループを形成している。
WBO世界バンタム級タイトルマッチ

WBO世界バンタム級チャンピオン
フェルナンド・モンティエル
(メキシコ)

WBO世界バンタム級5位
シソ・モラレス
(フィリピン)
3階級制覇王者 VS 比国の全勝ホープ 総合力か、それとも未知の力か
3階級を制覇したWBO王者モンティエルの初防衛戦。14戦全勝(8KO)の新鋭モラレスを相手にどんなリング・パフォーマンスを見せるのか。
モンティエルは79年3月、メキシコ生まれの30歳。元ボクサーの父親マヌエルが主宰する「コチュル・ジム」で、3人の兄弟エドゥアルド、ペドロ、マヌエル・ジュニアとともに幼少時からグローブに親しんできた。ちなみに、このジムからはホルへ・アルセ、ウーゴ・カサレス、そしてフェルナンド・モンティエルの3人が世界チャンピオンになった。アルセは袂を分かったが、カサレスとフェルナンドはいまも「コチュル・ジム」でトレーニングしている。
孝行息子は「私の人生は父親とボクシング抜きでは考えられない」(モンティエル)と話しているほどだ。
モラレスは無敗の若手だが、世界のレベルでどれだけやれるかという点では未知といえる。思い切った仕掛けができれば3階級制覇者を慌てさせることもできるだろうが、番狂わせまで持って行くことができるかどうか。
位置取りの巧みなモンティエルが主導権を握り、得意の左を生かして戦う可能性が高い。
Written by ボクシングライター原功
WBO世界バンタム級暫定王座決定戦

元2階級制覇チャンピオン
ジェリー・ペニャロサ
(フィリピン)

元WBA世界フライ級チャンピオン
エリック・モレル
(プエルトリコ)
フィリピンの不死鳥 VS 鋼鉄の拳 経験豊富な実力者同士の対決
元世界2階級制覇者で37歳のペニャロサが63戦54勝(36KO)7敗2分、元WBA世界フライ級チャンピオンでV5の実績を持つ34歳のモレルが43戦41勝(21KO)2敗。世界レベルでの経験が豊富な技巧派強打者対決といえる。
ペニャロサはサウスポーのボクサーファイター型。どちかというとパワーよりもテクニックで勝負するタイプだ。S・フライ級とバンタム級で世界を制した実績を持っており、実力は証明済みといえる。不安があるとすれば、昨年4月にファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)に初のTKO負けを喫したあとは半引退状態が続いていた点だろう。
モレルはフライ級米国代表として96年のアトランタ五輪に出場するなど、アマチュアで138戦124勝14敗の戦績を残して同年、プロ転向。2000年にWBA世界フライ級王座について5度の防衛を重ねた。ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)にベルトを明け渡したあと、05年にはマーティン・カスティージョ(メキシコ)のWBA世界S・フライ級王座にも挑戦(12回判定負け)した。昨年には長谷川穂積(真正)の挑戦者としてピックアップされたこともある。「鋼鉄の拳」の異名を持つが、ボクシングは正統派で、スピードと堅守に定評がある。
ともに慎重にスタートを切り、徐々に自分のボクシングに引きずり込んで行くタイプだけに、試合は序盤、中盤、終盤とラウンドが進むごとにペースが上がる展開になるのではないだろうか。
6対5(ペニャロサ有利)の賭け率が示すとおり実力は接近しており、接戦は必至と思われる。
Written by ボクシングライター原功
