強打vs技巧! パブリックとマルチネスが激突!
WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチ

WBC・WBO世界ミドル級チャンピオン
ケリー・パブリック
(アメリカ)

WBC世界S・ウェルター級チャンピオン
セルヒオ・マルチネス
(アルゼンチン)
ゴースト VS 驚異の男 パブリックの連打か、マルチネスの技巧か
ジャーメイン・テイラー(アメリカ)からベルトを奪った当初は長期政権間違いなしと期待されたパブリックだが、大ベテランのバーナード・ホプキンス(アメリカ)戦で判定を落としてから、運気もやや下降気味といえる。特に昨年は左拳の負傷が尾を引き、ポール・ウィリアムス(アメリカ)との試合を再三延期。挙句にキャンセルしなければならなかった。
一方のマルチネスは昨年12月、パブリック戦中止の憂き目にあったウィリアムスと対戦。ダウン応酬の激闘を展開したすえ僅差の12回判定負けを喫している。そして今回はパブリックとマルチネスの対戦が実現することになった。こうして見てくると、この三者には、なにやら因縁めいたものが感じられる。
WBC・WBO両団体のタイトル保持者パブリックは28歳。9歳でボクシングを始め、98戦(89勝9敗)のアマ・キャリアを経て10年前にプロ転向。ここまで37戦36勝(32KO)1敗という戦績を残している。86パーセントという高いKO率を誇る強打者だが、一撃必倒のパンチャーというわけではない。もちろんパワーは平均以上のものがあるが、どちらかといえば被弾しながらも根気強く戦い、好機に連打をまとめてストップに持ち込むタイプといえる。ホプキンス戦後は2連続TKO防衛を飾っている。
マルチネスはWBCのS・ウェルター級タイトルを持ったまま2階級制覇に挑む。こちらはサウスポーの技巧派強打者で、自国アルゼンチンはもちろんのことスペインやイギリス、アメリカなど世界を股にかけて活躍している選手だ。スピードに乗った出入りの激しい自在なボクシングに定評がある。パブリック同様、昨年はやや運気に見放された感があり、昨年2月のカーミット・シントロン(プエルトリコ)戦は正当な打撃で奪ったダウンをバッティングと判断されてKOを逃している(結果は12回引き分け)。12月のウィリアムス戦も際どい判定負けだった。
体格面を見ると、身長では189センチのパブリックが11センチ勝り、逆にリーチでは193センチのマルチネスが2センチ、パブリックに勝っている。
賭け率は9対5でパブリック有利と出ているが、その数字以上にマルチネスは危険な相手といえるだろう。このアルゼンチン人のスピードと左構えのアドバンテージを考えると、五分五分といってもいいほどだ。パブリックは早い段階で主導権を掌握し、前に出ながら執拗な攻めでポイントを重ねないと苦しいだろう。
Written by ボクシングライター原功

フェリックス・シュトルム
ミドル級トップ戦線の現状
WBAスーパー:フェリックス・シュトルム(ドイツ)
WBA:空位
WBC:ケリー・パブリック(アメリカ)
WBC暫定:セバスチャン・ズビック(ドイツ)
IBF:セバスチャン・シルベスター(ドイツ)
WBO:ケリー・パブリック(アメリカ)
トップ・スターがパブリックであることに異論はないだろう。V7の実績を誇るシュトルムが「WBAスーパー・チャンピオン」に昇格したことで空位になった王座は、元アマ・スター、ジェナディ・ゴロブキン(カザフスタン)とハッサン・ヌジカム(カメルーン)、あるいはアンソニー・マンディン(オーストラリア)の間で争われることになっている。
シュトルム同様、ドイツをホームとするズビック、シルベスターは、まだまだチャンピオンとしての評価を定める段階にはない。
マルチネスのほか前出のゴロブキン、オスカー・デラ・ホーヤの秘蔵っ子ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)、そしてパブリック対マルチネス戦をリングサイドで観戦する予定のポール・ウィリアムス(アメリカ)らが次期チャンピオン有力候補だ。
WBO世界クルーザー級タイトルマッチ

WBO世界クルーザー級チャンピオン
マルコ・フック
(セルビア)

WBO世界クルーザー級5位
ブライアン・ミント
(アメリカ)
強打のキャプテン VS 米国の野獣 充実の王者が地元でV3か
セルビア生まれのフックは他の格闘技を経験後、04年にドイツでプロデビュー。EU欧州共同体タイトルやIBFインターコンチネンタル・タイトルなどを獲得後、昨年8月の2度目の世界挑戦で悲願を成就した25歳。これが3度目の防衛戦となる。7割を超えるKO率を誇る攻撃型の強打者だ。
挑戦者のミントは35歳。元フットボール選手(ラインバッカー)という異色で、もともとはヘビー級で戦っていた選手だ。WBA中米タイトルやNABO北米の最重量級タイトルを獲得した実績を持っている。直近の試合ではヘビー級の上位ランカー、クリス・アレオーラ(アメリカ)に敗れており、これが再起戦でもある。
地力で勝るフックには地元の利もある。よほどのことがない限り、ポカはないものとみる。強打応酬の末、フックが中盤あたりでヤマをつくるのではないか。
Written by ボクシングライター原功
