バンタム級最強王者モンティエルが登場!
WBC・WBO世界バンタム級タイトルマッチ

WBC・WBO世界バンタム級チャンピオン
フェルナンド・モンティエル
(メキシコ)

元WBA暫定世界S・フライ級チャンピオン
ラファエル・コンセプション
(パナマ)
3階級制覇王者 VS 勇敢な雄牛 モンティエルの強打と技巧に注目
モンティエルはこの4月、5年間に10度の防衛を誇った長谷川穂積(真正)を4回TKOに下し、もともと保持していたWBO王座に加えWBCのベルトも手に入れた。フライ級、S・フライ級制覇に続き、3階級目のバンタム級では2団体統一を果たしたことになる。31歳のいま、そのボクシングは全盛を迎えようとしている。
長谷川戦で披露したとおり、モンティエルは強打とテクニックを併せ持った万能型のボクサーファイターといえる。最大の武器は左フックだが、二重三重のフェイントや誘い込みの技術など、数値に表せない戦術面でも高いものを身につけている。相手や展開によって集中力を欠く悪いクセもあるが、長谷川戦にみるように緊張感を持続させた場合は圧倒的な強さを発揮する。
長谷川戦後、モンティエルはコンセプションを相手に統一王座の初防衛戦を計画。しかし、WBOが暫定王者エリック・モレル(プエルトリコ)との統一戦を義務付けたため、入札まで行われた。そのため、いったんは相手がモレルに変更されたが、試合まで2週間を切った段階でモレルが足の負傷を理由に対戦見送りを伝えてきた。今回のコンセプション戦は、こうした経緯のもとに決定した試合である。
そのコンセプションは「エル・トリト」(小さな雄牛)と呼ばれる勇敢なファイター。在位は2ヵ月弱と短かったものの、2年前にはWBA暫定世界S・フライ級タイトルを獲得した実績を持っている。昨夏にはノニト・ドネア(フィリピン)との同暫定王座決定戦を前に体重超過という失態を犯したものの、試合では12ラウンドをフルに戦い切っている。キャリア8年で19戦14勝(8KO)4敗1分と試合数は少ないが、侮れない危険な相手といえよう。
コンセプションを甘く見ることはできないが、しかし、ここは長谷川を下したモンティエルをより高く評価すべきであろう。経験値、パンチ力をはじめ総合力でチャンピオンが上回っていることは疑いようがない。いつものように相手が攻めて出てくる瞬間を待って、モンティエルは左のカウンターを狙うはずだ。中間距離で繰り出すインサイドからのアッパーも相手にとっては脅威になるだろう。モンティエルのリング・パフォーマンスに要注目だ。
Written by ボクシングライター原功

ヨニー・ペレス
バンタム級トップ戦線の現状
WBA:アンセルモ・モレノ(パナマ)
WBC:フェルナンド・モンティエル(メキシコ)
IBF:ヨニー・ペレス(コロンビア)
WBO:フェルナンド・モンティエル(メキシコ)
WBO暫定:エリック・モレル(プエルトリコ)
118ポンド、約53.5キロをリミットとするバンタム級は現在、17階級のなかで最もホットなクラスのひとつといえる。その主役が、長谷川に勝ったモンティエルであることは誰も異論のないところであろう。これにIBF王者のペレス、さらに下のクラスから3階級制覇を狙って参入を表明しているビック・ダルチニャン(アルメニア)、ノニト・ドネア(フィリピン)、さらに前王者のジョセフ・アグベコ(ガーナ)、そしてペレスと引き分けた五輪戦士アブネル・マレス(メキシコ)――この6人で最強決定トーナメント「スーパー・シックス バンタム級バージョン」を行う計画まで浮上していたほどだ。モンティエルとドネアを擁するトップランク社の賛同が得られなかったため見送りの公算大だが、上記6選手に長谷川、モレノ、モレルを加えたトップ選手たちのカードは、どれもが注目度の高いものとなるはずだ。
捲土重来を期す長谷川の動向と併せ、バンタム級シーンからはしばらく目が離せなくなってきた。
S・ライト級10回戦

元2階級制覇チャンピオン
ロバート・ゲレロ
(アメリカ)

元2階級制覇チャンピオン
ホエル・カサマヨル
(キューバ)
愛妻家のゴースト VS キューバの至宝 新旧2冠サウスポー対決
両者には類似点がいくつかある。ともにテクニックをベースにしたサウスポーであること、ゲレロがフェザー級とS・フェザー級、カサマヨルがS・フェザー級とライト級の2階級を制覇した元チャンピオンである点などである。その一方、決定的な相違点もある。ゲレロが経験と可能性を併せ持つ27歳であるのに対し、カサマヨルが経験に頼らざるを得ない39歳であるという点だ。
2階級制覇の実績を持つ新旧サウスポー対決は、この年齢差と勢いが勝負に直結しそうだ。
ゲレロは昨年8月にIBF世界S・フェザー級タイトルを獲得したが、今年1月、白血病の妻キャシーの看病のためにタイトルを返上。妻の容態が安定したため4月に戦線復帰を果たした。身長173センチの痩身サウスポーで、左ストレートは破壊力もある。
カサマヨルは92年のバルセロナ・オリンピックでバンタム級金メダルを獲得するなどアマチュアで393戦363勝30敗の戦績を残し、96年に亡命してプロ転向を果たした。スピードと絶妙なカウンター、防御勘の良さに定評のあるテクニシャンで、10年以上も世界のトップとして活躍している。しかし、ここ数年は歴戦の疲れが見え、必要に迫られて足を止めたリスキーな打撃戦に応じるケースが目立つ。
ゲレロが煽り、カサマヨルが迎え撃つパターンが予想されるが、ここでどちらのスピードが勝るかで勝負の行方が見えるだろう。2階級制覇を成し遂げてもなお伸びしろを残しているゲレロが、ベテランを抑え込みそうだ。
Written by ボクシングライター原功
IBF世界S・ミドル級挑戦者決定戦

IBF世界S・ミドル級4位
サキオ・ビカ
(オーストラリア)

IBF世界S・ミドル級11位
ジャン・ポール・メンディ
(フランス)
スコーピオン VS フランス重量級の星 ビカの強打とタフネスにアドバンテージ
5度の防衛を記録しているIBF世界S・ミドル級チャンピオン、ルシアン・ビュテ(ルーマニア/カナダ)への挑戦権をかけた一戦。ビュテは10月に指名挑戦者ジェシー・ブリンクリー(アメリカ)の挑戦を受けることが決まっているため、ビカ対メンディの勝者はその次の指名挑戦者となる。
ビカはカメルーン生まれの31歳。2000年のシドニー・オリンピックに出場後、オーストラリアでプロデビューした。04年と05年にはOPBF戦のため来日、大阪で荒木慶大(泉北)に連勝している。その後、マルクス・バイエル(ドイツ)、ジョー・カルザゲ(イギリス)の世界タイトルに挑戦したが、4回負傷引き分け、12回判定負けという結果に終わっている。07年には無冠時代のビュテに12回判定負けを喫しているだけに、なんとしても雪辱のチャンスをつかみたいところだ。恵まれた運動能力を持つタフで好戦的な長身選手だ。
対するメンディは29戦28勝(16KO)1分の戦績を誇る36歳。96年のアトランタ・オリンピックに出場した4年後、2000年12月にプロ転向を果たした。フランスの国内タイトルやIBFインターナショナル・タイトルなどを獲得して世界10傑入りを果たした。サウスポーのボクサーファイター型で、アメリカのリングに上がるのは今回が8度目となる。
ビカが強引に攻め込み、メンディが迎え撃つという展開が予想される。ラフなビカの攻撃に対しメンディのカウンターが効力を発揮しないようだと、試合はワンサイドになる可能性もある。
Written by ボクシングライター原功
S・ライト級6回戦

アメリカ・S・ライト級
フランキー・ゴメス
(アメリカ)

アメリカ・S・ライト級
ロニー・ピーターソン
(アメリカ)
出身地も誕生日もスーパースターと同じ 「デラ・ホーヤ2世」ゴメスに注目
ゴメスは1992年2月4日、アメリカはカリフォルニア州イーストロサンゼルス生まれの18歳。19年の隔たりはあるものの「ゴールデン・ボーイ・プロモーションズ」を主宰する元6階級制覇チャンピオン、オスカー・デラ・ホーヤと同じ誕生日、同じ出身地である。その両者がコンビを組んだのだから、これは奇縁といえよう。「ゴメスは私が見てきた選手のなかでも特別の選手。必ず世界タイトルを獲得し、スーパースターになる逸材」と、デラ・ホーヤは後輩を絶賛し、大きな期待を寄せている。
ゴメスのアマチュア実績はジュニア・オリンピック優勝に始まり、U-17世界選手権優勝、09年全米選手権優勝、09年AIBA世界選手権準優勝と華々しい。アマ戦績は128勝120勝8敗という見事なもの。今年4月、バーナード・ホプキンス(アメリカ)対ロイ・ジョーンズ(アメリカ)IIのアンダーカードでプロデビューし、すでに4戦全KO勝ちを収めている。
6戦3勝(3KO)2敗1無効試合の20歳、ピーターソンを相手に「将来のスーパースター候補」ゴメスが、どんなリング・パフォーマンスを見せるのか。噂の新星、フランキー・ゴメスに注目だ。
Written by ボクシングライター原功
