KO率90%の強打者ロペス、初防衛戦に臨む!
WBO世界フェザー級タイトルマッチ

WBO世界フェザー級チャンピオン
ファン・マヌエル・ロペス
(プエルトリコ)

WBO世界フェザー級5位
バーナベ・コンセプション
(フィリピン)
カリブのKOキング VS フィリピンの俊英 スリリングな打撃戦は必至
ロペスは今年1月、スティーブン・ルエバノ(アメリカ)に7回TKO勝ちを収めて2階級制覇を達成。これが初防衛戦となる。勝てば3階級制覇を狙うスター選手、ラファエル・マルケス(メキシコ)との対決が噂されているだけに、存在感を示す内容で防衛したいところだ。
今年になってフェザー級戦線は俄然熱くなってきた。ロペスやマルケスをはじめセレスティーノ・カバジェロ(パナマ)、ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)らが下のクラスから参入してきたからだ。WBA王者ユリオルキス・ガンボア(キューバ/アメリカ)、WBC王者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)らを含め、いくつも好カードが組める状況になっている。
そういった意味では今回の挑戦者コンセプションもフェザー級で要注目の選手といえる。自国でキャリアを積んだあと06年11月のマニー・パッキャオ(フィリピン)対エリック・モラレス(メキシコ)IIIのアンダーカードに出場したが、その際、トップランク社のボブ・アラム社長が即座に契約を持ちかけたというエピソードがあるほどの逸材だ。22歳ながら32戦(28勝15KO3敗1分)の経験を持ち、何度もパッキャオの前座を務めるなど大舞台にも慣れている。ラウンド終了後の加撃で反則負けになったものの、昨年8月にはルエバノに挑戦したこともある。右強打を武器に相手に果敢に接近を挑む好戦的な選手である。
そんな危険な挑戦者を迎え撃つロペスは、28戦全勝(25KO)のレコードを誇るカリブの新KOキング。斜に構えたサウスポーから切れのある左ストレート、鋭角的な右フック、さらにインサイドからのアッパーでバタバタと対戦者を葬ってきた。70年代に世界タイトル17連続KO防衛を成し遂げた母国の英雄、ウィルフレド・ゴメスの再来の声もあるほどの強打者だ。耐久力に若干の問題は抱えているものの、昨年のロジャース・ムタガ(タンザニア/アメリカ)戦では急場を凌いでみせ、結果的に経験値を上げている。
7対1の賭け率が示すとおり、順当にいけばロペスの防衛は揺るぐまい。正面から突っ込んでくるコンセプションの出端に鋭い左ストレートを浴びせ、あるいは中間距離でコンパクトに右フックを振り切って、鮮やかに挑戦者を倒すシーンが目に浮かぶようだ。
その一方で、敵地での挑戦を意識したコンセプションがスタートから果敢にアタックを仕掛け、乱戦に巻き込む可能性もある。そうなるとロペスにとっての危険値は大きく跳ね上がることになる。
いずれにしてもスリリングな攻防のすえのKO決着は間違いないところ。スタートから目の離せない試合になりそうだ。
Written by ボクシングライター原功

クリス・ジョン
フェザー級トップ戦線の現状
WBAスーパー:クリス・ジョン(インドネシア)
WBA:ユリオルキス・ガンボア(キューバ/アメリカ)
WBC:エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)
IBF:オルランド・サリド(メキシコ)
WBO:ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)
実績面では12度防衛のWBA“スーパー・チャンピオン”ジョンが大きくリードしているが、ここ数戦では陰りが見えるため今後に関しては大きな期待はできないだろう。7月下旬に予定された防衛戦も負傷でキャンセルするなど、近況は芳しいものではない。
そんななか紆余曲折を経てガンボアとサリドのWBA・IBF統一戦が9月に決定した。当初、ガンボアとサリド戦は7月に予定されていたが、サリドが負傷したため一時はガンボア対WBC王者ロハスにカードが変更された経緯がある。ところが今度はロハスが肩を負傷。それを受け傷の癒えたサリドがガンボアとの統一戦に臨むことになったわけだ。
下のクラスから上げてきたラファエル・マルケス(メキシコ)、すでにこのクラスで試運転を済ませているセレスティーノ・カバジェロ(パナマ)らも、近い将来、必ずタイトルに絡んでくるはずだ。
WBC1位のファン・カルロス・ブルゴス、西岡利晃(帝拳)に倒されたあと調子を取り戻したジョニー・ゴンサレス、この両メキシカンにも注目したい。
WBA暫定世界S・フライ級タイトルマッチ

WBA暫定世界S・フライ級チャンピオン
ノニト・ドネア
(フィリピン)

WBA世界S・フライ級10位
エルナン・マルケス
(メキシコ)
フィリピンの閃光 VS メキシコのタイソン ドネアのスピードと経験にアドバンテージ
フライ級とS・フライ級を制し、近い将来にバンタム級進出も視野に入れているドネア。対するは「タイソン」の異名を持つ21歳の強打者マルケス。序盤から白熱した攻防が見られそうだ。
ドネアは全米選手権で優勝するなどアマチュアで76戦68勝8敗の戦績を残して01年にプロ入り。これまで24戦23勝(15KO)1敗のレコードを記している。スピードと強打を併せ持ったボクサーファイター型といえるが、そのボクシングは自在で創造性に富んでいる。構えを左右にスイッチすることもしばしばだ。
挑戦者のマルケスは88年9月生まれの21歳。デビューから5年間で27個の白星を綺麗に連ねたが、今年3月にリチー・メプラナム(フィリピン)に判定負け。これが過去唯一の黒星である。27勝のうち20のKOがあるように、最大の売りは強打といえる。
マルケスがサウスポーである点がカギになりそうだが、これまでの試合を見るかぎりドネアは相手が右でも左でも苦にすることは皆無だった。となると、やはり総合力の勝負になる可能性が高いといえそうだ。ドネアのスピードと経験にアドバンテージがあるといえよう。マルケスとすればチャンピオンが慎重な構えを見せる序盤に先に仕掛けて主導権を掌握したいところだ。
Written by ボクシングライター原功
WBO世界ミドル級王座決定戦

WBO世界ミドル級1位
ダニエル・ジェイコブス
(アメリカ)

WBO世界ミドル級2位
ディミトリー・ピログ
(ロシア)
ゴールデン・チャイルド VS ロシアの期待 全勝同士の米ロ対決
バーナード・ホプキンス(アメリカ)、ジャーメイン・テイラー(アメリカ)、ケリー・パブリック(アメリカ)、セルヒオ・マルチネス(アルゼンチン)と続いた系譜の後継者を決める戦い。ジェイコブスが20戦全勝(17KO)ならピログも16戦全勝(13KO)と譲らない。どんなかたちで新チャンピオンが誕生するのだろうか。
ジェイコブスは144戦137勝7敗のアマチュア経験後、07年12月にプロデビュー。すでに20戦を経験しているとはいえ、まだプロキャリアは3年に満たない。それでいて「ヘビー級のパンチとライト級のスピードを併せ持ち、ベテランの巧さを備えている23歳」という評があるのだから末恐ろしい。
一方のピログは数々の地域タイトルを手にしながら頂上に近づいてきた30歳。185センチの長身を斜に構えた変則スタイルから右強打を打ち込んでくるタイプだ。
賭け率は2対1でジェイコブス有利が伝えられるが、ピログの変則スタイルに惑わされるようだと楽な展開にはなるまい。オスカー・デラ・ホーヤの秘蔵っ子、ジェイコブスが大舞台でどんなリング・パフォーマンスを見せるのか注目したい。
Written by ボクシングライター原功
