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イントロダクション

第3回WOWOWシナリオ大賞で、過去最多となる730編の応募作の中から大賞に選ばれた作品
(受賞シナリオタイトル:「仄かに薫る桜の影で」)を、第1回・第2回に続き「ドラマW」
として映像化する。

独居世帯と孤独死の増加、無縁社会という世相を背景に、死者の生の軌跡を辿ることで今を
生きる若者の心の成長を描いた感動作がここに誕生する―。増加し続ける孤独死・無縁死。
その数は年間およそ3万件と言われ、人間関係が希薄になっていく現代を生きる私たちに
とってそれらは、現実と向き合う切実な問題でもある。しかし、果たして人の生涯は人生の
“最期”だけで決まるのだろうか。誰にでも平等に訪れる「死」。その日まで、人はどう生きる
べきなのか。「死」を追いながら「生」を、「過去」をたどりながら「明日」への希望を
見出す感動作だ。

監督には、「釣りバカ日誌」シリーズをはじめとして、市井の人々の人生模様を描ききる
ことで定評のある朝原雄三。主演には、映画『ソフトボーイ』や『悪人』、ドラマ
「大阪ラブ&ソウル」などで各方面から注目を集める若手俳優・永山絢斗。他にも、
富田靖子、寺脇康文、山崎樹範、三田村邦彦、風吹ジュンといった実力派キャストが揃い、
見応えあるヒューマンドラマとなっている。

孤独死

独居世帯の人が誰にも看取られずに死亡すること。老人が本人の住居内で、事故・疾病によって助けを呼べずに命を落とすケースが多い。近所付き合いの少ない都会での事例の他、高齢化が進む現在では過疎地での発生も懸念される。老老介護など独居以外、あるいは経済的困窮による60代以下の孤独死も社会問題化している。

特殊清掃業

清掃業の一種で、孤独死、自殺死、事故死などの現場清掃業務のこと。警察や通常の清掃業者では対応できない清掃、消臭・消毒、遺品整理・処理、供養・お祓い、家屋の解体・リフォームなどを行う。孤独死や無縁死が問題化している近年では、生前に業者と契約し、遺品整理や諸手続を委ねる人も増えている。

ストーリー

11年前に母を亡くし、空虚感を抱えて生きている主人公、孝志は特殊清掃業で見習いとして働き出す。淡々と死と向き合う日常のなかで、ある日孤独死した女性の遺品から日記を見つける。そこに記されていたのは、女性の若かりし頃の秘められた思いだった。

しかし、日記を読み進めるにつれ、孝志は少女が背負っていた驚くべき秘密を知ることになる。「死にたい」と書かれた日記の最後のページ。孝志は心が揺さぶられるまま、少女の未来を探しに女性の故郷・金沢へと向かう。しかし孝志は、金沢で思いがけない真実を知ることになるのだった…。