WOWOW新人シナリオ大賞
広く映像文化の発展に貢献することと、
その映像化を目的に実施しています。
NEWS
第2回WOWOW新人シナリオ大賞
受賞作放送日決定!
第2回WOWOW新人シナリオ大賞の受賞作が決定いたしました。
応募総数413編の中から、
大賞1編、優秀賞3編が選出されました。結果は以下の通りです。
大賞
⽗と息⼦の地下アイドル
あらすじ
一人息子と疎遠になり、寂しく暮らす高校教師の千堂。ある日、事故の知らせを受ける。病室で久しぶりに会う息子は植物状態だった―。悲しみに暮れる千堂の元へ、派手な衣装を着た三人の少女が駆けつける。彼女たちは息子が作り育てている地下アイドルだった。解散寸前のグループを見かねた千堂は、息子に代わってアイドルプロデューサーになることを決意。息子が目覚めるまでグループを守ろうと、地下アイドル業界で奮闘していく。
「ドラマW 父と息子の地下アイドル」として2020年2月23日(日・祝)よる10:00 wowowプライム にて放送されました。
脚本:光益義幸
監督:横尾初喜(『こはく』、「tourist ツーリスト」第3話)
音楽:牧戸太郎(「黒崎くんの言いなりになんてならない」『兄に愛されすぎて困ってます』)
出演:松重豊 若月佑美 今井悠貴 芋生悠 加藤小夏 /遠藤久美子 鶴田真由/ 瀧本美織 深水元基 井之脇海 ほか
あらすじ
山間の町で「ヤッホー商店」を営む芳峰。山ガールの美女・芽美に一目惚れするが、彼女は東京で働く兄・雄峰のストーカー。偶然を装い芳峰宅に出入りする芽美に夢中になり、芳峰は商売をおろそかにし始める。移動販売に乗り出す大手コンビニ、常連客の不幸、遂に知る芽美の正体…相次ぐ事態に店が存亡の危機に立つ中、芳峰が全力で向かった先はデリヘル嬢・ラムの腕の中だった…。だらしない金ない33才独身男の幸せをめぐる冒険!
あらすじ
小林優香は訪問医療に携わっている主婦で、不妊治療をしながら子どもを授かることを願っている。訪問先の住田京子の息子・光太朗にはダウン症があった。
待望の子どもを授かった優香だったが、出生前診断でダウン症の確率が高いと診断されてしまう。周囲の反対を受けて自分の気持ちに対峙し、〈産む・産まない〉という選択に悩まされる優香。一方、京子は夫と離婚し、実家の山口県に光太朗と共に帰ることを決断する-。
あらすじ
備後尚彦は、子供の頃から憧れた「アニメ」を作るためアニメ会社で働いている。そこで大御所監督・日向由志郎の新作が始動する。しかし鬼監督として有名な日向の暴走や衝突で現場は大混乱。ある日、講演会を頼まれた日向を車で送るハメになる備後だが、一緒にいる中で、日向の人となりを知っていく。そんな時、交通事故を起こし入院する2人。同室という悪夢の空間で、日向によるアニメレッスンが始まる。
脚本家
残念ながら落選してしまった作品も含め、読み応えのある作品が多く、⼤いに刺激をもらい充実した審査となった。
【⽻原⼤介氏 プロフィール】
芸能プロダクションのマネージャーの職を経てつかこうへいに師事、1992年に脚本家デビュー。主な作品に映画『ゲロッパ!』、『パッチギ!』、『フラガール』、『ゲゲゲの⿁太郎劇場版』、ドラマ「ダブルフェイス」(TBS-WOWOW共同制作)、『マッサン』(NHK連続テレビ⼩説)、「誤断」(WOWOW)、『黒⾰の⼿帖』(EX)など。『パッチギ!』で⽇本アカデミー賞優秀脚本賞、『フラガール』で⽇本アカデミー賞最優秀脚本賞、「とんび」(NHK)でモンテカルロテレビ祭最優秀賞、「ダブルフェイス」で東京ドラマアウォードグランプリを受賞。⾃⾝で旗揚げした劇団『昭和芸能舎』の脚本・演出を担当。
第1回WOWOW新人シナリオ大賞
受賞作放送日決定!
大賞
赤いトマト
あらすじ
銀行員の森田克博は、原発の影響で自主避難している家族と離れ、福島の自宅で一人暮らし。子供達の成長は早く、寂しさを感じている。そんな中、妻の千佳から、銀行を辞めて一緒に暮らさないかと提案される。虫が苦手な克博は、妻の実家の農業をする自信が全く持てない。しかし、同郷の元カノ、波子の半ば強引な後押しで、克博は、苦手を克服するためのステップを一つ一つ何とかクリアし、家族と一緒に暮らすために奮闘していく。
「ドラマW 今日、帰ります。」として2019年3月10日(日)よる10:00 wowowプライムにて放送されました。
脚本:圓岡 由紀恵
脚本協力:藤井道人
監督:藤井道人(『青の帰り道』『デイアンドナイト』)
音楽:岩本裕司
出演:伊藤淳史 木南晴夏 小林未来 河野うさぎ 笠松将 戸田昌宏 / 西岡德馬 / 夏木マリ
「WOWOWシナリオ大賞」終了にあたり
2007年より12回に渡り「WOWOWシナリオ大賞」、「WOWOW新人シナリオ大賞」開催をしてきましたが、今回を持ちまして「WOWOWシナリオ大賞」としての公募・受賞を終了いたします。「WOWOWシナリオ大賞」のこれまでの取り組みを通して、11作品の映像化を実現し、新たなクリエイターの発掘およびWOWOWオリジナルドラマブランドの向上を図ることができました。これまで「WOWOWシナリオ大賞」に関わって頂いた全ての皆様に感謝を申し上げます。
今後もWOWOWは、ドラマに限らずオリジナルコンテンツの更なる可能性を追求するべく、新たな才能の発掘と、より質の高いコンテンツ制作に注力していきます。
最終選考に残った作品はいずれもある一定の水準に達していますが、どこかで見たような設定が多く、オリジナリティに欠ける印象を受けました。その中でよりオリジナリティがあり、読み手の琴線に触れた四作品が最後まで残りました。
大賞の「赤いトマト」は構成もセリフもうまく、完成度の高い作品でした。物語の背景には福島第一原発事故があるのですが、シリアスになりすぎず、家族の再生を明るく描くことに成功しています。
優秀賞の「FOREVER14」は教師が中学生に変身するというファンタジーで、少年たちの描き方、台詞などがみずみずしく好感を持ちました。キスされて魔法がとけるというアイデアは秀逸ですが、ラストがうまくまとまらなかったのが惜しい。
同じく優秀賞の「姉とおはぎ売れ残り中」は半径五百メートルぐらいのホームドラマで、素朴な味わいのある作品で、うまくまとまっていますが、逆にこぢんまりすぎて、少々物足りなさも感じました。
同じく優秀賞の「ぼっちのエース」は一風変わったスポーツ青春物語で、構成、セリフなど、完成度が高いと感じました。甲子園の感動を、放課後の校庭というありきたりな日常に強引に持ってきて、描ききった力業に感心しました。