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Column コラム

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再び高速時代に? 変化に備える錦織圭

2017/01/29

錦織圭

勝負を賭けたシーズンで錦織圭はどんな変化を見せるのか?(写真:Getty Images)

 錦織圭の、勝負を賭けたシーズンが始まった。

 今年最初のグランドスラム大会、全豪オープンの4回戦で、錦織はロジャー・フェデラーとフルセットの激闘を展開して惜しくも敗れた。第1セットの攻防を制し、第2、第3セットで逆転されたのだが、その逆流に耐え、一瞬のスキを突いて第4セットを奪った。半年ぶりにツアー復帰したレジェンド、フェデラーに挑む新時代の旗頭――世界中のテニスファンが手に汗握り、南半球で繰り広げられた1ポイントの行方に一喜一憂したことだろう。

「もったいなかったですね」

 錦織は試合後の会見でそう口にした。

 2回戦では第2シードのノバク・ジョコビッチが、この4回戦前のデイセッションでは第1シードのアンディ・マレーが、いずれもノーシード選手に敗れるという波乱があり、振り返れば、第5シードの錦織に十分な勝機があったからだ。だが、この言葉を額面通りに受け取る必要もない。フェデラーが大会中の会見で話したことだが「選手は負けた後の会見を一刻も早く終わらせたいから、意味のないことも言う」試合後の会見は、疲労回復過程の風景であって、本人の言葉にあまり深刻さを求めると誤解に繋がることもある。

 錦織が第1セットにいきなり2ブレイクして5-1リードという意外な出だしだった。そこから5-5まで呼び戻されたところに、大きなポイントがあったと、錦織自身も口にしている。サーブ力の差が明暗を分けた。第2セットに入ってから、フェデラーの平均時速186kmというファーストサーブの確率は80パーセントに上がり、そこから95パーセントというポイント獲得率を叩き出している。フェデラーは、元々はサーブ・アンド・ボレーヤーで、武器のファーストサーブがこの試合のカギを握ることは予想されていたことだ。

 サーブ力があれば1本でポイントを奪うことができ、ツアーレベルの試合では、一発で局面を変えて主導権を呼び戻す手段になる。ディフェンス重視でも勝てるが、自分のペースで勝負を展開し観客を巻き込む力はオフェンスにある。

 フェデラーは第7ゲームのサービスゲームで、時速181kmのセカンドサーブを皮切りに2本のエースを決め、ラブゲームでサービスキープ。ここで局面を切り替えて一気に5-5まで持って行った。このセットはタイブレイクの末に錦織が奪ったが、流れは変わり、第2セット以降はフェデラーのファーストサーブを中心に進められていった。それでも、錦織には多彩なショットからのカウンター攻撃がある。それが発揮されたのが、第4セットだ。

 このセットもフェデラーは好調で、第1ゲームのサービスゲームは時速190km台後半の3本のサービスエースとウィナーで始まり、錦織は第4ゲームのサービスゲームで土壇場まで追い込まれた。このセットで2本目のダブルフォルトにポール回しまで決められてデュースに。繰り返された7度のデュースで、ゲームポイントを4度崩され、そこからブレイクポイントを2度しのいで、懸命に踏みとどまった。どう見ても劣勢に立たされていたが、次の第5ゲームを逆にブレイクして、2-2のセットタイに追いついている。錦織の強さだ。
 今年の全豪のコートサーフェスは、特にセンターコートが速いと言われた。ウイリアムズ姉妹ら女子のベスト8に3人の30歳代が入るなど、ベテランの活躍がそのためだと説明するレジェンドもいた。

 ボールゲームは用具が変わりルールが変わり、戦術も変わる。テニスは1980年代の高速時代から90年代後半になって、徐々にパワープレーが勢力を伸ばし、コートが遅くなってきた。その境目はロジャー・フェデラーが全盛期に入っていく2005年頃とされる。フェデラーも当初はサーブ・アンド・ボレーヤーだったスタイルをオールラウンドへと変えている。速いサーフェスでジュニア時代を過ごした選手は、いまの30歳以降の選手になる。

 畳の上で育った人が日本に帰るとホッとするようなものである。コートがすべてではないが、無関係ではない。

 翌日、レジェンドを囲む会があり、サーブ・アンド・ボレーヤーでダブルスでも活躍したヨナス・ビョルクマンがこう指摘をしていた。

「自分がウィンブルドンでベスト4に入ったときでも(2006年)、サーブ・アンド・ボレーヤーは10パーセントもいなかった。まだ流れは変わっていない。これから各大会がどうするかで、テニスは変わって行くかも知れない」

 35歳のフェデラーの時間を区切りに、テニスは変わる可能性があるのだ。今年の全豪オープンがその始まりである可能性は高い。変化に、錦織がどうついていくのか。

 今年は、地元開催のデ杯ワールドグループ1回戦の欠場を決め、南米のクレーコート2大会に出るなど、思い切った決断をしている。新時代への変化への対応に他ならず、その変化は期待していいように思う。


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