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【錦織圭レポート】端境期の二つの変化に、手応えは十二分にあった

2015/01/29

錦織圭

全豪は準々決勝敗退となったが、今後に向け期待が持てるプレーを見せた錦織圭(写真:Getty Images)

 全豪オープン準々決勝、スタン・バブリンカに2セットを奪われて迎えた第3セット。サービスブレークを1度ずつでタイブレークにもつれ込んだ。錦織はタイブレークに強いが、今年に入ってからのバブリンカは5度のタイブレークをすべて奪ってきた。その自信をこの場面でも発揮して4本のサービスエースを決め、錦織は1-6と5本のマッチポイントを握られた。絶体絶命の窮地。しかし、錦織はそこから6-6まで戻した。観客がぎっしり詰まったセンターコートが期待に大きく膨らんでざわめいた。

 セットカウント0-2からのタイブレークで1-6、これほどのピンチはない。それが6-6になり、錦織がもしタイブレークを奪うことになれば、昨年の全米オープンのような逆転劇になるかもしれない……。プロフェッショナルとは、観衆の脳裏に一瞬でもそんな「万が一」の奇跡を閃かせることができる役者のことを言う。錦織は6-6から危険極まりないドロップショットを仕掛けて、再び観衆を驚かせ、しかし、それは僅かにネットにかかってバブリンカは甦った。最後はバブリンカのサービスエースを見送り、ゲームセット。この幕切れを見た世界のテニスファンは、結果を忘れ、新しいスターの誕生、遠くにしか聞こえていなかったトップ10、錦織圭の存在を身近に認識したのではないだろうか。

 錦織にとって、全豪オープンの準々決勝進出は2012年に続いて今回が2度目。ただ、第5シードという立場からして、その道のりは3年前とはまったく違うものだった。

 昨年までの錦織は一人の挑戦者だった。ビッグ4あるいはトップ10を打倒するために遮二無二プレーすれば、それで良かった。仮に負けても許される、プレッシャーのない、いわゆるNothing to Lose(負けてもともと)だったわけだが、第5シードの今大会からはその立場が変わった。下位と対戦した1週目、Nothing to Loseはネットの向こう側の相手であり、彼らは体当たりで挑んできた。一発勝負のトーナメント戦では何が起きるか分からない。1回戦の相手ニコラス・アルマグロはかつてトップ10に入った曲者、しかも病み上がりで怖いものなし。錦織いわく「1回戦のタフさランキングで最悪」の相手をクリアしても、2回戦のイバン・ドディグ、3回戦のスティーブ・ジョンソン、一発のある選手の体当たりに苦しめられた。この第1週目をクリアすれば、そこからの相手はランキングが自分より下とは言えベテランとの対戦で、再びプレッシャーのかからない挑戦者の立場でプレーができる。

 錦織は大会中の記者会見で「5位は居心地がよくない」との発言をしている。なりたてだから時間が必要だと打ち明け、何位なら居心地がいいかと問い詰められると苦笑いしながら「15か20かな」と答えている。

 どのトップ選手も経験することだろうが、端境期の選手は、グランドスラムの大きなドローを消化する中で、挑戦される側と挑戦する側の両方を演じなければならない。この切り替えは、言うは易く、実際には難しい。2週目に入って、対戦成績で優位にあるフェレール、さらには昨年の全米で逆転勝ちしたバブリンカを倒して弾みをつけ、ジョコビッチ(あるいはラオニッチ)に挑む――この青写真が崩れたのは、そうした立場への切り替えにはもう少し時間がかかるということでもあるのだろう。

 切り替えという点で、今大会の錦織にはもう一つテーマがあった。このオフにサーブの強化に取り組み、それは目に見えて成果があった。だが、錦織のプレースタイルは本来、サーブを武器に短い勝負を挑んでいくものではない。ストロークのやりとりからリズムを得て、ウィナーを決めることにテニスの醍醐味を見出してきたし、ここまでの躍進はそのプレースタイルが原動力だった。トップ10への定着、もう一つレベルアップするためにはサーブ力強化というプレースタイルの改造が避けて通れない……こうした二つの大きな変化への対応を考えたとき、今回のベスト8進出には3年前とはまったく違う意味があっただろう。だから最後は、「全体としてはよかった」と振り返ることもできたのだ。

 批判もある。試合後に会った師匠の松岡修造氏は、「かなり厳しいことを言ってしまいました」と反省していた。それだけ、期待が大きかったからだろう。だが、今年最初のグランドスラムは上々の出来だった。国内の異常な期待の高まりが心配だが、昨年、クレーコートで2勝した実績を考えれば全仏オープンも期待できるし、サーブの向上を考えればウィンブルドンも楽しみだ。マイケル・チャンを中心にしたチームも巧く機能している。そのチームの一員がこんなことを言った。
「必ず勝てますから、急がずに待っていてください」

 まだ25歳。急ぐことでもない。

文:武田薫



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