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Column コラム

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【錦織圭レポート】頭脳プレーの勝利 鮮やかな気持ちの出し入れで初の2週連続優勝

2014/10/6

全米準優勝後の日本凱旋大会で、見事優勝を決めた錦織圭。勝利のあとには歓喜の涙も見せた。

全米準優勝後の日本凱旋大会で、見事優勝を決めた錦織圭。勝利のあとには歓喜の涙も見せた。(写真提供:Getty Images)

 記者席から見て右下の方で、錦織のご両親が観戦していた。個人的に彼らと親密なわけではないが、ツアーに出てきた頃「いいですよね、皆さんは気楽で」と笑って話していたのを覚えている。錦織はあまり自分の感情を口にしない。ケガのことも周囲には余り話さない。今回も腰の痛みはトレーナーと2人だけの話にして、マイケル・チャン コーチにも言っていなかったという。錦織がどんな気持ちで東京の舞台に立ち、どんな覚悟で決勝に臨んだか、恐らく、ご両親だけが分かっていたことかも知れない。この若者が号泣する姿を、初めて見た。

 全米オープンで決勝までの5セットマッチ、7試合を終えたのが9月8日。さまざまなイベントを挟んでマレーシアで行われたツアー250では4試合を戦って優勝。楽天オープンの初戦が水曜日だったとは言え、火曜日にダブルスを戦うなど連日、イベントが用意され、そこから5連戦――臀部の痛みをマッサージで散らしながらの優勝だった。ラオニッチとの決勝に、また一つ成長した錦織を見た。

 ラオニッチは全米の準々決勝で錦織に敗れた後、地元でデ杯のプレーオフを戦い、この大会がツアー復帰戦。初戦でバーナード・トミックという難しい相手をさばいてから、徐々に調子を上げてきた。常時、時速220㎞台を出すファーストサーブだけでなく、落ち着いたコートマナー、バックハンドのスライスなど防御的なショットも安定してきた。決勝戦のポイントはもちろん、リターンを得意とする錦織がラオニッチの弾丸サーブをどうさばくか。しかし、その答えは、リターンではなくサーブにあった。

 ラオニッチの弾丸サーブからポイントを奪うのは至難の業だ。サービスブレークの可能性は、特に第1セットは、皆無と言ってよかった。しかし、自分がサービスブレークされなければ、タイブレークという短期勝負に持ち込める……体力もさることながら集中力にも定評がある錦織は、弾丸サーブに付き合わず、サービスゲームに専念することで集中力の備蓄をした。第1セット、錦織がラオニッチのサービスゲームで得たポイントは5しかなかったが、逆に錦織は自分のサービスゲームでラオニッチに僅か4ポイントしか与えなかった。

 タイブレークはビッグサーバーに有利だが、それもタイブレークに入った条件による。サーバーが追い込まれていればサーブにプレッシャーがかかり、逆にリターンの機会が増える点では錦織に利があり、チャンスが広がる。その意味からも、いきなりミニブレークを奪って優位に立ったのは大きい。この1ポイント目、さらに6-5で迎えた最初のセットポイント、こういう要所でのリターンに備蓄した集中力が生かされた。

 試合中に2度、トレーナーに右臀部のマッサージを受けている。痛みの程度は測りかねるが、集中力が途切れてしまうという点で難しい試合だった。第2セット、第3セット、本来の錦織にはないようなコントロールミスが出たのは、そのせいだ。しかし、ここでも巧みに気持ちを出し入れすることで傷を広げない道を作った。第2セット、錦織はラオニッチに5度のブレークポイントを握られたが、そのうち4度をセーブした。1本だけ奪われてセットを取られはしたが、この4セーブは大きい。ファイナルセット、今度は錦織が5本のブレークポイントを握り、ラオニッチも4本まではセーブしたのだが……。ファイナルセットの1ブレークは命取りなのだ。それが第10ゲームのマッチポイントだった。ショットメークの能力に気持ちの出し入れを取り入れることができるようになったことが、全米オープンからの最大の収穫だったように思う。

 疲れと痛みと戦いながら、宿敵のビッグサーバーを退けた喜びは大きい。日本のファン、一身に期待するテニス関係者の前では負けられないという無言の圧力もあったことだろう。試合後の涙が、その重さを物語っていた。しかし同時に、この苦行を乗り越えた自信は、さらなる前進の活力にもなるはずだ。

 前週のツアー250に続いてツアー500の楽天オープンを制し、次はマスターズ1000の上海に舞台は移る。2週連続優勝はもちろん初めてだったが、忘れていけないことが一つある。今週は楽天オープンと同時に北京で同じツアー500のチャイナ・オープンが行われ、ジョコビッチ、ナダル、マレーといった大物はすべて北京に回った。もし楽天オープンが日本開催でなければ、錦織もそちらに回っていたはずなのだ。そうしていたら、状況は変わっていただろう。自信を積み重ね武器を磨く旅は始まったばかりではあるが、ともかく、しばらくは素晴らしい決勝戦の余韻に酔いしれていたい。

文:武田薫



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