25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

WOWOW TENNIS ONLINE

※お申し込みいただいた情報やお手続きの状況により15分程度でご視聴いただけない場合があります。BS-9chに合わせてお待ちいただいてもご視聴いただけない場合は、お電話にてお問い合せください。

Column コラム

Column コラム

【錦織圭レポート】ラオニッチに完敗、その深層を探る

2014/07/04

ラオニッチに完敗した錦織。敗因は精神面か

ラオニッチに完敗した錦織。敗因は精神面か。(写真提供:Getty Images)

 テニスはそもそも正式名称がローンテニスで、芝の上で行われたゲームだった。芝のコートでは長身でパワーのあるビッグサーバーが有利になる。芝の葉に叩きつけられたボールは低く横に滑る。ネットを越して返球するのが難しくなるからだ。ボールを持ち上げたと思うと、ネットの前に大男が立ちはだかってボレーを叩かれる。ミロス・ラオニッチは身長196㎝で体重は90㎏、毎日、血のしたたる分厚いステーキを食べる。一方の錦織圭は身長178㎝で体重は68㎏。日本海の海の幸で育ち、好物はお寿司……。絶対のハンデを背負って、錦織は戦った。

 第1セットの第1ゲームのレシーブ。錦織は、いきなり0-40とトリプル・ブレークポイントを握った。ラオニッチがそこまでの3試合で与えたブレークポイントは、マシュー・エブデンとの1回戦の1本だけだった。それが最初のゲームでいきなり6本。しかも6本目で、今大会で初めてラオニッチのサーブをブレークした。リターンをして打ち合いに持ち込めば、錦織の多彩なショットが主導権を握る。しかし、それ以降、錦織にはチャンスらしいチャンスが訪れなかった。今大会の錦織は自分のサーブも良かったために均衡を保つことができたのだが、そうした展開は錦織の本来のテニスではない。

「リターンからゲームを作ることができなかったので苦しかった。第1セットの第2ゲーム以降は、まったく自分のテニスができなかった。いや、第1ゲームにしてもたまたまのことで、ブレークできた理由は向こうにあったと思います。立ち上がりはラオニッチも硬かったですから。サーブが速いだけでなく、よくコースも考えていて、全く読めませんでした」

 これまでラオニッチとは2年前の東京と今年4月のマドリードで2度対戦し、いずれも錦織が勝っている。ここまでの完敗の第一の理由はラオニッチの成長だろう。

 ラオニッチはちょうど1歳下の23歳。昨年末のランキングは11位で、錦織の17位と拮抗し、今シーズンに入ってからも2人は似たような経過をたどった。ラオニッチは全豪オープンで足を痛め、2月の日本とのデ杯戦を欠場した。錦織も2月以降、様々な故障で棄権、欠場を3度繰り返し、4月のチェコとのデ杯もメンバーから外れた。ラオニッチは3月からマスターズ1000の5大会でベスト8以上(ローマはベスト4)と好成績を収め、全仏オープンでグランドスラムでは初のベスト8入りを果たし、一方の錦織も好調だった。ただ、少し内容は違う。マスターズ1000のマイアミでフェデラーを倒してベスト4に進んだが、準決勝前に棄権。ツアー500のバルセロナで優勝し、マスターズ1000のマドリードではラオニッチやダビド・フェレールらを倒して決勝に進み、ラファエル・ナダルをぎりぎりまで追い込んだものの、ここも試合途中で棄権。故障明けの全仏オープンは練習不足で1回戦で敗退した。

 この2人に、グリゴール・ディミトロフを加えた3人は期待通りの成長を見せてきているのだが、錦織の場合にはその成長が断続的という違いがあり、ここに今回の敗因を見ることもできるのではないか。

 テニスにはグランドスラムという大きな目標が年に4回もあるために見えにくいのだが、選手は年間ツアーの連続線上で戦っている。日常のツアーで蓄積される自信、反省、練習などがグランドスラムの大事なポイントに反映されてくるのだ。たとえば、この日の第2セットの第2ゲームだ。錦織のサービスゲームの30-0から、錦織に2本のバックハンド・ミスが出てブレークを献上した。ここで流れが変わった。第3セットは2人とも辛抱強く戦い、共にブレークポイントなしでタイブレークに入るのだが、互角に見えても内容的にはラオニッチのサーブの高度安定という印象が強い。第1セットから第3セットを比べるとファーストサーブの確率(68%→84%→66%)、ポイント獲得率(65%→88%→96%)、スピード(平均時速125→126→127マイル)。それがタイブレークで出たと言っていいだろう。

 この差は、故障による経験値の差だ。そして、その元をたどれば冒頭にあげた体力差となるし、この経験値の差に時間差を加えれば、取り戻せる差でもある。私見だが、むしろ問題は別の所にある。

 1回戦のケニー・デシャパーも身長204㎝のビッグサーバーだった。ここはストレートでさばいたのだが、錦織は「やりながら、つまんない試合だなと思っていました」と洩らしている。この日の第2セット以降はサービスゲーム中心で、ラブゲーム、40-15のゲームの多い単調な流れになった。ビッグサーバーとの試合でありがちな流れだが、こうした展開で、ふっとミスが出る。正確なショットを打つ選手だけに、錦織のミスは目立つ。「つまらない→集中力の低下」へと繋がっているのではないか。ここに、マイケル・チャンの存在意義があると考える。

 今大会、マイケル・チャンは不在だった。錦織によれば、前哨戦のハレでしっかり見てもらったからだという。春から長い帯同になったこと、チャンにはウィンブルドンでの実績がほとんどないこと、もう一つ、陣営としてはウィンブルドンよりも全米オープンまでの夏のアメリカシリーズに照準を合わせてきたということではないか。

 ウィンブルドンで初のベスト16だけに、悔しい思いはあるだろうが、ここからはますます、自分の時間帯での成長を確実に蓄積していく戦いが求められる。

文:武田薫



新規ご加入はこちら e割 加入料なし!カンタン・おトク!
あなたも、お友達も視聴料1カ月無料
WOWOW iPadサービス
  • WOWOWテニス2017シーズン イメージソング 『TROPHY』 INABA / SALAS
  • 目指せ!サービスエース
  • 錦織圭公式サイト KEI NISHIKORI.COM
  • 大坂なおみ公式サイト
  • 国枝慎吾公式サイト
  • 奈良くるみ公式サイト Powered by TENNIS DAILY
  • クルム伊達公子公式サイト Powered by TENNIS DAILY
  • wowshop 新発売 大人気キャラクター テニス太郎 ぬいぐるみ・マスコット(ストラップ付き)
  • wowshop 全豪オフィシャルグッズ販売中