テニス「WOWOW TENNIS ONLINE」|WOWOWオンライン

25th

WOWOW

PC版

ご加入はこちら

WOWOW TENNIS ONLINE

※お申し込みいただいた情報やお手続きの状況により15分程度でご視聴いただけない場合があります。BS-9chに合わせてお待ちいただいてもご視聴いただけない場合は、お電話にてお問い合せください。

Column コラム

【錦織圭レポート】ケガからの復帰戦で実力発揮、初のクレーコート・タイトルを獲得

2014/04/30

 クレーでキャリア初優勝を果たした錦織。トップ10入りを再び視界にとらえた

クレーでキャリア初優勝を果たした錦織。トップ10入りを再び視界にとらえた(写真提供:Getty Images)

 今まで掲げた、どのトロフィーよりも重そうだった。スペインで最も長い伝統を持つ大会で、名だたるクレー巧者たちが引き継いできたチャンピオンの系譜に、今、Kei Nishikoriの名が加わった。それを頭上にヨイショと掲げた錦織はその重みを実感したことだろう。個人的にも、初のクレーコート・タイトルという大きな意味があった。

 昨年ラファエル・ナダル(スペイン)が8度目の優勝を果たし、ほかにもカルロス・モヤ(スペイン)やフアン カルロス・フェレロ(スペイン)、トーマス・ムスター(オーストリア)といった全仏オープン覇者の名がチャンピオンズ・ボードには刻まれている。過去11年間はスペイン人が頂点を独占し続けていたことも特筆すべきだろう。また、錦織が歴史の扉を開いた。パワフルで多彩でアグレッシブで頭脳的……ありとあらゆるポジティブな形容詞があてはまる、強烈な印象を残して…。

 全体的には波乱だったと言える。第1シードのナダルから初勝利を奪ったのが同じスペイン人のニコラス・アルマグロで、そのアルマグロをストレートで退けたサンティアゴ・ヒラルド(コロンビア)がトップハーフから決勝に進出。第3シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)が途中棄権した2回戦での相手もこのヒラルドだ。ボトムハーフでは、第2シードのダビド・フェレール(スペイン)が初戦で世界ランク55位のティムラズ・ガバシュビリ(ロシア)に不覚をとり、このガバシュビリにエルネスツ・グルビス(ラトビア)が快勝。そしてそのグルビスを錦織が準決勝で破る。番狂わせを演じた者は得てして勝ち進めないもので、確かに錦織は「勝つべくして勝った」と見られるだろう。だが、格上と当たらなかったのはラッキーというよりむしろアンラッキーだったかもしれない。あのテニスなら、ナダルやフェレールが相手でも十分チャンスがあっただろうと思えるからだ。

 それだけのプレーを、左脚の付け根のケガから1ケ月後の復帰戦で実現させたことは驚異的だ。1カ月ぶりの実戦となった2回戦こそ地元スペインのロベルト・バウティスタ アグートにセットを奪われたが、3回戦以降の4試合は全て圧勝。倒した相手は、世界ランク60位のアンドレイ・ゴルベウ(カザフスタン)、27位のマリン・チリッチ(クロアチア)、23位のグルビス、そして65位のヒラルドである。

 前述したように、17位の錦織にとっては格下ばかりだが、当然ながらランキングだけで選手を評価することはできない。たとえばゴルベウは、全豪オープン覇者のスタニスラス・バブリンカを先のデビスカップ準々決勝で破っているし、チリッチが元トップ10で全豪オープン・ベスト4の実績を持つことはテニスファンなら知っているはず。昨年ドーピング違反で4ケ月の出場停止となってキャリアにキズを付けたが、今季は〈250〉の大会で2度優勝し、『500』でも準優勝するなど去年の痛手を克服している。19歳で全仏ベスト8と早くから注目されたグルビスは、不振で一時150位台までランキングを落としたが、今年2月には初のトップ20を経験し、その月だけでファンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)、リシャール・ガスケ(フランス)、ジョーウィルフライ・ツォンガ(フランス)、とトップ10を3人も破っている。

 要するに、ツアー経験があり、少なくともトップ50内にいるような選手に楽な相手などいないということだ。そうした群雄割拠の中、しかもアップセットが比較的多く発生するクレーコートで、毎試合歴然たる実力差を見せつけた錦織に「トップ10に最も近い選手」という評価が与えられるのは当然だろう。

 昨年オフにチームにコーチとして加わったマイケル・チャンは、当初からスタミナ維持のために「無駄にラリーを長くするな」ということを繰り返し言ってきたそうだが、全豪オープンの頃の錦織は「言われたことがまだできなくて悔しい思いをしている」と話していた。早くラリーを終わらせようと強引に決めにいく姿勢が裏目に出ることもあった。しかし、前回のマイアミ大会、そしてこのバルセロナでの戦いぶりを見る限り、めげずに取り組んできたことが、〈試み〉から確実に錦織自身のものになっているという印象だ。

 週明け、ランキングは5つ上がって12位になった。
「次の目標はトップ10。これから続く大きな大会でもこの調子でポイントを取っていきたい」

 トップ10入りを再び視界にとらえた錦織には、昨年11位になったときよりも深い自信が宿っているようだ。

新規ご加入はこちら e割 加入料なし!カンタン・おトク!
あなたも、お友達も視聴料1カ月無料
テレビでもオンデマンドを楽しもう!Google Chromecast対応
THE TENNIS DAILY
WOWOWテニス公式ツイッター
「WOWOWテニス2017シーズン」イメージソング 『TROPHY』稲葉浩志