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コラム

【錦織圭レポート】自身初の連覇達成 ポイントよりも大事な収穫を手に次週へ

2014/02/18

自身初の大会連覇を達成した錦織圭。(写真提供:Getty Images)

 優勝しても「順当」。それが第1シードに対する視線である。錦織はツアーでは初のトップシード、そしてディフェンディング・チャンピオンというプレッシャーのかかる肩書きを背負い、メンフィスで開催された全米室内選手権に臨んだ。自身初となる大会連覇への挑戦だ。

 この大会は昨年までのATPワールドツアー『500』から『250』にダウングレードされ、開催時期も1週繰り上げられた。もともとあった週にリオデジャネイロの『500』が新設されたためだが、これを背景とし、前回大会では3人いたトップ20プレーヤー(錦織は当時22位)が、今回は16位の錦織のみ。世界ランク80位以上の選手とは一度も対戦せずに勝ち進んだ錦織だが、初戦となる2回戦のベンジャミン・ベッカー(ドイツ)、準々決勝のアレックス・ボゴモロフJr.(ロシア)らは元30位台の選手だ。ボゴモロフとの試合は、1セットダウンの1ブレークダウンという劣勢を覆しての勝利。たとえ低調な日でもなんとか最後には勝つということが、トップ選手の一条件だろう。

 そして最後に待ち受けていたのが、文字通り巨大な山、身長211cmのイボ・カルロビッチ(クロアチア)だ。

 現在は世界ランク80位の34歳だが最高位は14位で、過去2度の対戦で錦織はセットを取っていない。1度は昨年のデルレイビーチでの途中棄権だが、2012年のデビスカップで完敗した印象は今なお色濃く残っている。苦手な相手といっていいだろう。その理由は、驚異の高さから打ち下ろされる強烈なサーブよりもむしろ、彼のプレーの淡白さかもしれない。サーブ・アンド・ボレーヤーなのでもともとラリーが続く相手ではないが、決めるのもミスするのも早く、リズムをつかみづらい。特に錦織のようにラリーの中でさまざまなショットメークを自身が楽しみ、観客をも楽しませるタイプのプレーヤーにとっては、ストレスが溜まる。

 だが、カルロビッチに勝つためにやるべきことは明確でもある。とにかく落ち着いて自分のサービスキープを落とさないことは鉄則。相手のサーブではエースをどれだけ取られても気持ちを切らさず、ワンチャンスを待つしかない。タイブレーク勝負になることはかなりの確率で覚悟しなくてはいけないが、ビッグサーバーのわりにはタイブレークに強いわけではない。最後は集中力だ。

 実際、錦織はこの「やるべきこと」をほぼ完璧にやってみせた。カルロビッチは立ち上がりから3本連続で210キロ超えのサーブを叩き込み、あっという間にキープするが、負けじとラブゲームでキープした錦織は、続く第3ゲームで早くもチャンスをつかむ。カルロビッチのダブルフォールトから始まったこのゲームでダブルブレークポイントを握ると、2つ目をものにした。第8ゲームで2度ブレークポイントを握られるものの、ここを逃げ切り、サービング・フォー・ザ・セットは4つ目のセットポイントを要しながらも締めくくった。

 第2セットは、第1、第3ゲームで計7本のブレークポイントを全てセーブされるというもどかしい序盤だったが、錦織自身のサービスゲームが安定していたことがタイブレークでの強さにつながった。リターンエースやパッシングショットを連発して、1ポイントも与えずにゲームセット。

 苦手の山を克服しての初連覇の意味は大きい。ここでの連覇は、ジミー・コナーズ(アメリカ)、トッド・マーティン(アメリカ)、トミー・ハース(ドイツ)に続いて4人目。過去3人はいずれもトップ4経験者という顔ぶれだ。

「この1年、トップ20を維持してきたという自信がある。トップ10、トップ5にはもう少しかかると思うが、確実に近づいている」と錦織。冒頭で触れたように、大会の格が下がったため、タイトルをディフェンドしながら去年の半分のポイントしか獲得できないが、ポイントに換算できない収穫があったはずだ。また、昨年メンフィスで獲得した500ポイントが失効するのは来週。続いて出場する『250』のデルレイビーチで残り半分を埋めたい。


放送カード

3月放送予定
ジョコビッチ、マレーら現役トップ選手に加えて、アガシ、サンプラスらレジェンドたちも出場。
往年のチャンピオンたちが集う男子ATP公式シニアツアーの2013シーズンを放送。
4月放送予定
ワールドグループ制になって初のベスト8進出を果たした日本代表が3連覇を狙う王者チェコとの一戦に挑む!
往年のチャンピオンたちが集う男子ATP公式シニアツアーの2013シーズンを放送。
母国の名誉と威信を懸けて、強豪国が激突する“テニスのワールドカップ”。ワールドグループ準々決勝の模様をハイライトでお届け
女子テニスの国別対抗戦・フェドカップ。
強豪8カ国による熱戦を1回戦から決勝まで放送

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