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Column コラム

杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

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杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

第301回 テニスプレーヤーの親子関係

2017/04/25

親のサポートは必須。とはいえ自分の夢を託すのは、子には重圧です

 テニスは個人競技ということもあって、他競技に比べて親が選手のコーチを務めるケースが多いようです。ビーナスとセレナもスタートはご両親のコーチングでしたし、少し前のトップ選手では、ヒンギス、カプリアティ、ピアースなどがご両親(のどちらか)のコーチングを受けていました。最近は以前ほど多くはないとはいえ、ウォズニアッキなど多くのトップ選手がご両親のコーチングで活動しています。

 私自身、母のコーチングを受ける期間が長かったのですが、その経験から言えば、コーチと母、選手と子、とそれぞれ一人二役をこなすのは容易なことではありません。
 ツアーではオフの時間も長いので、スイッチをうまくオン/オフに切り替えて、1日の6割が「選手」で4割が「娘」、または7対3くらいの割合でやっているつもりでしたが、今振り返ると9割5分が「選手」だったなと思います。

 私たちが過ごしていたのは勝負の世界で、結果を残さなくてはならないので、お互いにコーチとして、選手としての責任が生じます。ですから、どうしても「母」と「娘」の関係は厳しくなってきます。
 親と子だからこその難しさと言っていいのかもしれません。もちろん、ベースにあるのは大きな愛、家族愛や子を思う親の気持ちなのですが、にもかかわらず、親だから、子だからこそ言い過ぎてしまう部分が私たちの中にもあったと思います。
 振り返って、オン/オフを切り替えるというのは、口で言うほど簡単ではなかったなという印象です。

 ヒンギスも以前、「母がコーチをやめない限り親子関係が崩れてしまうので、ここでやめる」とコメントしていました。クルニコワも同じ意味のことを言っています。実際、カプリアティやピアース、ドキッチなど、行きすぎた指導がDVの問題に発展してしまうケースもありました。選手それぞれで関わり方は異なりますが、肉親がコーチを務める難しさはどこかにあると思います。
 ただ、絶対的に言えるのは、家族のサポートは必要であるということです。今年の全豪では、ズベレフ兄弟やイストミンのお母さんが試合を温かく見守っていたシーンがほほえましくて、強く印象に残っています。テニスは孤独なスポーツで、ツアーは過酷ですから、チーム(陣営)のサポートによって選手のパフォーマンスも変わってきます。うまくいっている選手は、親のサポートのもとコーチ、スタッフが一丸となっているように見えます。

 昨今、よく議論されているのが、モンスターペアレンツの問題です。子供より親が夢中になって、一流選手に育てようと躍起になっていることが多いと聞きます。あくまでもプレーするのは子供ですから、そこに親が大きく被さってきてしまうと、自由にパフォーマンスできないということはあるでしょう。
 ただ、やはり育成には親のサポートは必要です。コーチたちの本音トークでは〈親は金を出しても口出すな〉という声があるようですが、それはどうかなと思います。ご両親の適切なサポートなくして選手が育たないのも確かです。ですから、大切なのは適度な距離感ですね。抽象的な言い方になりますが、主役は子供なのですから、子供にとって何がベストか親が冷静に考えてあげることでしょう。

 ひとつ言えるのは、親が果たせなかった夢を子の背中に載せないでほしいということです。子供が自分で夢を持ったら、それを100%サポートするのは、ある意味、親の特権でしょう。ただ、自分のできなかったことを子に託すのはやめてほしいと思います。もちろん、子供がそれを自分から望み、親の分まで頑張りたいと考えるのは自由ですが、親主導になってしまうと、子供にはプレッシャーでしかなくなってしまいます。


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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
グランドスラムダブルス最高成績:全豪準優勝(2009年)、ウィンブルドン優勝(2003年)、全仏優勝(2003年)、全米優勝(2000年)
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム連続出場の歴代2位記録(62大会・女子1位)を持つ。

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